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コンタクトセンターDX最前線

【Vol.16】コンタクトセンターのフルクラウド化に必須のクラウド電話回線とは?

2024/04/22

BCP対策や多様な働き方への対応を目的にクラウドPBXを導入する企業が増えており、特にクラウドコンタクトセンタープラットフォームGenesys Cloudの市場シェアが伸びています。

今回は、Genesys Cloudを“フルクラウド”で利用するために不可欠な「クラウド電話回線」に焦点を当て、導入する際の注意点やオススメの構成について解説します。

フルクラウドを実現するための「クラウド電話回線」とは?

クラウド電話回線とは、従来の固定電話回線やPBXをクラウド上で管理し、インターネット経由で通話を可能にする仕組みです。拠点にボイスゲートウェイやSBCなどを設置する必要がなく、フルクラウドのコンタクトセンターを実現するために利用されています。

クラウド電話回線を利用した場合の構成例(Genesys Cloud利用時)


【クラウド電話回線の特長】

  • ・インターネット経由で接続するため、オフィスや自宅などどこからでも同じ電話番号で発着信できる
  • ・SBCやボイスゲートウェイを設置する必要がないため、初期コストを抑えられる
  • ・システムの更新や拡張も容易なため、保守、運用の負担を軽減できる
  • ・障害発生ポイント削減によるシステムサービスレベル向上
  • ・法人拠点所在地の市外局番を利用できる

スムーズにクラウド電話回線を利用するための注意点

Genesys Cloudをはじめ、多くのクラウドPBXサービスで採用されているクラウド電話回線ですが、電話番号は、振り込め詐欺やオレオレ詐欺などの犯罪に活用される可能性が高く、特にオフィスに機器を設置する必要のないクラウド電話回線では、電話番号を容易に持ち運べることから、電話番号と位置情報を紐づけるための「電話番号制度」と犯罪で得た収益が事業活動に用いられることを防止するための「犯罪収益移転防止法」を遵守することが求められます。


【クラウド電話回線を利用する際に必要な手続き】

  • ・電話番号制度および犯罪収益移転防止法遵守のため、明確な本人確認ができる書類の提出が必須
  • ・法律に基づく方法で、犯罪に関わらない取り引きかどうか、サービス提供者をチェック



クラウド電話回線を申し込むには、履歴事項全部証明書(登記簿謄本)や、代表者の本人確認ができる書類(運転免許証や住民票など)、代表者から担当者に取引を委任する場合の委任状など、複数の書類の提出が必要になるのですが、書類の準備に時間がかかってしまい、予定していたスケジュールよりも遅れてしまったというお客さまも少なくありません。

また、申し込み手続きには専門知識も必要になりますが、キャリアが提供しているサポート窓口を活用することで、安心して手続きを進められます。
ただし、お客さまが直接クラウド回線を提供するキャリアと契約しなければならないため、お客さま自身でお手続きにかかる時間などをご確認いただき、全体の構築スケジュールが遅れないように注意してください。

クラウド電話回線が利用できない場合はどうする?!利用するサービスによっては既存の電話回線とのハイブリッド運用も視野に

クラウドPBXを導入する際は、クラウド電話回線サービスを採用してフルクラウド構成にするのが、コスト面や運用面のメリットもありオススメですが、現在使っている電話回線がクラウドに対応していない場合や電話番号を持ち出せない場合で、電話番号を継続して利用したいという時はクラウド電話回線を利用できない場合もあります。また、一部窓口から段階的にフルクラウド構成に移行していきたいというニーズも少なくありません。

他にも、クラウド電話回線のみに対応しているサービス、クラウド電話回線には対応していないサービスがあり、利用したいサービスの組み合わせによってはそのままクラウド構成に移行できないケースもあります。例えば、最近増えているのが、顧客からの問い合わせ内容に応じて適切な応答を自動化するなど、クラウド電話回線のみに対応しているWebフックを利用したサービスとクラウド回線に対応していないキャリアが提供するFMCサービスなどと併用したいという要件です。

こうしたケースでは、「クラウド電話回線を利用するクラウド構成と既存の電話回線を利用するオンプレミス構成を併用するハイブリッド構成がオススメです。ハイブリッド構成にしておくことで、該当サービスを利用する窓口以外はフルクラウド構成で構築できるため、運用負担も最小限に抑えられます。また、今後、クラウド回線での利用が可能になった場合は、容易にオンプレミス構成からクラウド構成に移行することもできます。

【ハイブリッド構成がオススメなケース】
  • 段階的にクラウド回線に移行したい
  • クラウド回線に対応していないサービスと併用したい

まとめ

クラウド電話回線サービスを利用したフルクラウド構成のコンタクトセンターは、BCP対策や在宅コンタクトセンターなど多様な働き方への対応を目的に増えています。

コンタクトセンターのフルクラウド化を検討されているなら、Genesys Cloudがオススメです。Genesys Cloudでは、NTTコミュニケーションズ、Twilio、Vonage、KDDI、Coltの5社のクラウド電話回線サービスから選択できるようになっていますので、要件に応じて自社にあったものをお選びいただけます。どのクラウド電話回線サービスを選べばよいか分からないという場合も、当社にて現在利用されているキャリアサービスやオプションを考慮したうえで、サービス選定のアドバイスおよび、お客さまとキャリアとの間に入って技術的なご支援をさせていただくことも可能です。Genesys Cloudに移行したいけど現在の運用のまま移行できるか不安、運用しやすい構成や移行方法を知りたいという方は、S&Iにご相談ください!

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