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コンタクトセンターDX最前線

【Vol.02】クラウドシフトが進む今、
コンタクトセンターにおける通話録音システムはどう在るべきか?
選び方のポイント4つをご紹介!

2023/01/31

BCP対策や働く環境の整備を目的に、クラウドPBXを採用するコンタクトセンターが増えています。そして、オンプレミスからクラウドへの移行しようとした際、必ずと言っていいほど議題に挙がるのが、通話録音システムをどうすべきか、という問題です。

トラブル防止や聞き漏らしの防止によるクレーム削減、コンプライアンスの強化など、コンタクトセンターにおいて通話録音システムは重要な存在と言えるでしょう。
そして、通話録音システムは、個人情報を多く含むという特性があるため、通話録音システムをクラウドにすべきかオンプレミスにするべきか悩んでいる方も多いようです。

今回は、採用が進むクラウドPBXにおいて、通話録音システムはどう選ぶべきか、SIerの観点でご紹介します。

コストとスピード重視なら、クラウドPBXの通話録音機能が断然オススメ

クラウドPBXにも、通話録音機能が標準で搭載されているものが多くあります。簡単にコストをかけずに通話録音したい...という場合は、標準搭載されている通話録音機能をそのまま使うのもオススメですが、クラウドだからこそできること、できないことがあるので、自社のコンタクトセンターが求める要件を満たせるかどうかの吟味が必要です。

ここでは、クラウドPBXの通話録音機能を採用する際にチェックすべき項目を紹介します。

① 必要な機能を使えるか?運用管理は問題ないか?

クラウドPBXでは、基本的に必要な機能は他のサービスと連携することが前提になります。通話録音したデータの音声認識やモニタリング、分析や応対品質管理などに活用したいと考えている場合、これらの機能が標準で搭載されているか、他サービスと連携して利用できるかなども確認する必要があります。

また、他サービスと連携して利用できる場合、管理画面や運用自体がクラウドPBXとは別の管理になるため、操作性や管理面での負担にならないかも検討しておきましょう。

② 音声データの保存先はクラウドで問題ないか?

クラウドPBXの通話録音機能の場合、データの保存先も自社では管理できないクラウド上になります。通話録音データには本人確認や契約情報など多くの個人情報が含まれるため、自社のセキュリティーポリシーと照らし合わせて問題ないか確認する必要があります。

なお、多くのパブリッククラウドでセキュリティを強固にし、攻撃や不正アクセスなどからの情報流出を防ぐ仕組みを提供しています。
たとえば、クラウドPBXの導入シェアを伸ばすGenesys Cloud CXでは、通話録音データはAWSに保存されます。AWSでは、TLSやAES-256暗号化などの機能を提供しており、クレジットカード業界の基準であるPCI DSSや、米国の医療情報保護に用いるHIPPAなどに準拠しており、高い安全性、信頼性を提供しているので安心してご利用いただけます。

ただし、パブリッククラウド上に個人情報を含む通話録音データを保管することを許容するかは、企業ごとに考え方は異なります。自社のセキュリティポリシーをきちんと確認し、問題ないか確認しておきましょう。

③ 保存期間は問題ないか?

前述の通り、クラウドPBXの通話録音機能ではクラウド上にデータを保管するため、データの保存期間や件数に制限があります。期間は長くても5年程度となるため、監査などで長期保存したい場合は検討が必要です。

また、設定された保存容量を超える場合は追加料金がかかることもあるため、定期的にデータの整理を行う必要もあります。運用面で問題ないか、負担にならないかも確認しておきましょう。

④ 通話録音データを移行できるか?

クラウドPBXからオンプレミスにやはり戻そうとした場合や、別のクラウドPBXに移行しようとした場合に、サービスによっては約款でデータのダウンロードや移行に制約がある場合もあります。移行したくてもできない…というケースに陥ることも考えられるため、選定する際には必ずデータの扱いについても確認しておきましょう。

『クラウドにデータを保管したくないけどPBXはクラウドに移行したい!』そんなニーズに応えるVERINTの通話録音ソリューション

他サービスとの連携やデータの保存場所、保存期間など、運用面やセキュリティポリシーを考慮すると、コストは抑えられるとしても、クラウドPBXの通話録音機能を採用できない...という企業の方も少なくありません。そこでご紹介するのが、通話録音技術においては国内外で多くの実績を持つVERINTの通話録音システムをクラウドPBXと連携して利用する方法です。

では、Genesys Cloud CXとVERINTの通話録音システムを連携した場合の構成をご紹介します。

Gensys Cloud CXとVERINT通話録音システムの連携イメージ

通話録音データは、データセンター内に保管されるため、保存期間に制限はありませんし、容量も運用状況に応じてストレージを拡張すれば問題ありません。
また、セキュリティ面ですが、オンプレミスなので、もちろんこれまでのセキュリティポリシーを変えることなく運用できます。そして、VERINT製品もクレジットカード業界の基準であるPCI DSSに準拠し、必ずメモリー上で暗号化されてからディスクに保管される仕様になっており、情報漏えいを未然に防ぐこと仕組みが提供されているため安心して利用できます。

今回ご紹介した構成は、データセンター側で集中録音させる構成で、録音対象は外線通話のみです。内線通話は録音できませんが、お客さまとの会話内容はすべて録音でき、比較的低コストで構築できます。

もちろん、内線通話を録音することもできます。内線通話を録音する場合は、各拠点ごとに録音サーバーを設置するため、拠点数によってはコストが高くなってしまう可能性があるため、内線通話の録音の必要性を改めて検討するのがオススメです。

通話録音〜分析までトータルで運用できるのがVERINTの強み!

VERINTは、通話録音〜音声認識、分析、レポーティングまでそれぞれサービスを提供されており、全てのプロセスを統合管理することもできます。各サービスを連携して利用することが前提となるクラウドPBXの通話録音機能に比べて、複数のサービスの管理画面を行き来する必要もなく、運用のしやすさなどの観点でもメリットがあります。

クラウドPBXと連携して使えるVERINTソリューションのラインアップをご紹介します!

■ 会話音声分析「Speech Analytics(SA)」

コンタクトセンターにおけるお客さまとオペレーターの通話内容をテキスト化、分析するソリューションです。顧客満足度の向上や新たな知見の発見が期待できます。

■リアルタイム会話音声分析「Real Time Speech Analytics(RTSA)」

通話時に入ってきた音声を即座に認識し、リアルタイムにキーワードを検出し、オペレーター支援やタイムリーなコーチングとして、顧客満足度向上が期待できるソリューションです。

■応対品質管理ソリューション「Quality Management(QM)」

通話時間や保留回数などをもとに問題のある通話を自動抽出するソリューションです。Speech Analytics(SA)と組み合わせて利用することで、業務の品質と顧客満足度のさらなる向上をサポートします。

■人員最適化「Workforce Management(WFM)」

CMSと連携し、コンタクトセンターの最適な運営を計画/実行可能にするエージェント管理ソリューションです。

■デスクトップ分析(DPA)

エージェントのデスクトップ作業の操作情報を検知し、業務プロセスとステップの流れを可視化することで業務の効率化や生産性向上を支援するソリューションです。

S&Iエンジニアからの一言!

S&Iは、2004年に日本初のVERINTの代理店になって以来、金融業界を中心に多くのコンタクトセンターへの導入実績があります。クラウドPBXへの移行を検討しているけど通話録音システムをどう扱うべきか悩んでいるという方は、ぜひ、S&Iまでお問い合わせください!既存の運用方法やセキュリティポリシーなどを考慮した上で、最適なご提案をさせていただきます。

入江 伸治:
これまで、金融機関や生命保険会社などのコンタクトセンター基盤構築に携わる。特にVERINTソリューションによる通話録音システムの構築を多く手掛けており、通話録音システムから音声認識・分析までをトータルでご提案することで、顧客の声の活用やコンプライアンス対策強化などの課題解決に取り組んでいる。

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