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コンタクトセンターDX最前線

応対品質の適正な評価はAI音声認識技術がオススメ!具体的な活用例を紹介

コンタクトセンターでは、オペレーターごとはもちろん、拠点や窓口ごとに品質や生産性のバラツキがあることは原則許されないとされています。

また、最近ではBCP対策を背景に、数十席という中小規模のコンタクトセンターでも分散運営する傾向が高まっており、メインは自社運営、それ以外はアウトソーサーに業務委託するなど、拠点によって運営体制が異なるが故に、対応レベルがバラバラになってしまっているという課題も増えています。

今回は、より効果的なフォローや教育が可能になると注目される、リアルタイム音声認識技術を活用した応対品質管理の仕組みをご紹介します。

応対品質のチェックでよくある課題「評価軸のバラツキ」が引き起こす問題

まずは、応対品質の評価軸が統一されていない場合、どのような問題が生じるのか整理してみましょう。

■ 一貫した教育、サポートができない

評価軸が統一されていない場合、オペレーターは何を改善すべきか分からなくなってしまいます。フィードバックが一貫しないため、オペレーターのスキル向上が難しくなるでしょう。

また、評価者によって「良い」「悪い」の判断が異なると、『同じ対応でもAさんは指摘されなかったのに、自分は指摘された』など、オペレーターに不公平感を抱かせる原因やモチベーションの低下につながる可能性もあります。

■ 応対品質のバラツキと顧客満足度の低下

親切な対応の時と不親切な対応の時があるなど、オペレーターによって対応品質の差が大きくなる可能性があります。例えば、評価者Aさんはマニュアルに加え、顧客に寄り添った対応を良いと判断する、評価者Bさんはマニュアル通りの対応であれば問題ないという判断をする場合、評価者Bさんが担当するオペレーターは柔軟な対応ができず、クレームになってしまう可能性もあります。

スーパーバイザーや評価者によって指導内容が異なると、オペレーターの対応に一貫性がなくなり、企業イメージの低下や顧客満足度の低下にもつながるでしょう。

このように、評価軸が統一されていない場合、オペレーターの満足度の低下や顧客満足度の低下がといった問題につながります。そこで多くのコンタクトセンターが行なっているのが評価軸を統一するためのカリブレーションではないでしょうか。しかし、カリブレーションを実施するには、多忙なスーパーバイザーや管理者の時間を確保する必要があり、負担も大きくなります。

そこで、今回はここで整理した課題を効率的に解決するための仕組みとして、リアルタイム音声認識技術を活用した応対品質の評価手法の特長についてご紹介します。

リアルタイム音声認識技術を用いた応対品質チェックとは?

リアルタイム音声認識技術を活用した応対品質評価とは、通話を自動でテキスト化し、AIが応対品質を評価する仕組みです。評価に人の主観が入らないため、評価軸の統一が期待できます。

では、リアルタイム音声認識技術を用いた応対品質チェックの例をご紹介します。

<リアルタイム音声認識を活用した応対品質評価>
  • ① 不適切な表現やクレーム、誹謗中傷につながるキーワードの検知
  • ② 発話率や応対時間の超過などの可視化
  • ③ タイムリーなフィードバック

■ 不適切な表現やクレーム、誹謗中傷につながるキーワードを検知

事前に、誹謗中傷、クレーム、不適切な表現など特定のキーワードやフレーズを登録しておくと、会話内容にそれらの表現が含まれた場合に適切な対応が行われているか、自動検出することができます。
会社ごとのポリシーにそって運用することで、一定の基準でリアルタイムに問題のある応対をピックアップし、適切にフォローすることも可能になります。
また、オペレーター自身も応対しながら音声認識結果を確認できる場合、応対中の不適切な発言にオペレーター自身で気づき、その場で訂正するなど、オペレーターのスキルアップにも効果が期待できるでしょう。

■ 発話率や応対時間の超過などを可視化

音声認識結果をもとに、顧客とオペレーターのどちらが多く発言しているかなどを可視化することもできます。顧客が話している割合が異常に多い場合、クレームが発生している可能性を読み取ることができるため、スーパーバイザーは注意してその対応をモニタリングするなど、確認時の指標としても活用できます。
また、音声認識技術を活用したモニタリング方法では、視覚的に複数のオペレーターの応対状況をチェックできるようになります。事前に設定している時間よりも超過している応対はアラート通知するなど、さまざまな視点で評価することで、オペレーターのエスカレーションを待たずに、スーパーバイザーが能動的にフォローに入ることも可能になるでしょう。

■ タイムリーなフィードバック

リアルタイムに音声認識された結果から、顧客の意図にそった対応ができているか、誤解や問題が生じていないかなど、応対中に発見し、迅速に対応することもできます。
さらに、生成AIなどの技術を活用することで、オペレーターが適切な対応ができていない場合に自動でフィードバックを行い、その時の状況に応じた改善策や訂正方法を提案させるなど、一定基準の評価軸で評価から教育まで効率的に行えるようになります。

生成AIとの組み合わせで、より高度な応対品質チェックも可能に

最近では、音声認識技術に生成AIを組み合わせた応対品質チェックの仕組みも登場しています。生成AIは、プロンプトと呼ばれる指示書に基づいてアウトプットを生成するため、プロンプトの作り方次第で、自社の評価軸に応じた、より高度な応対品質の分析・評価が可能になります。

<音声認識技術と生成AIを活用した品質評価の具体例>

・応対品質のランク評価(○段階評価など)
対話の流れを捉えた上で、その対応がどうだったか総合的に判断、評価します。

・クレーム分析、インシデントレビュー
クレームに該当する発話を抽出し、なぜクレームにつながったのかを分析、評価します。

・感情分析
発話に対して、怒りや嫌悪、不安、悲しみなどの感情を判別し、ラベル付けします。付加されたラベルの傾向から応対品質を評価したり、教育へ活用できます。


生成AIを活用する場合、なぜそのような判断・評価に至ったのかも具体的に提示できるため、人が応対品質のチェックを行う場合よりも的確なチェックが効率的に行えます。

複数窓口の運営でも評価軸の統一に最適な「AI Dig」

S&Iが提供している応対支援サービス「AI Dig」は、音声認識技術を活用したモニタリング機能を搭載しており、事前に登録したキーワードの自動抽出や、応対時間や発話率などの観点から通話中に応対を評価することができます。評価結果はオペレーター自身も応対中に確認できるため、スーパーバイザーの経験やスキルによらない判断で適切にフォローできるだけではなく、オペレーターに気づきを与えることで自己成長も期待できます。

また、AI Digには「グループ機能」があり、窓口や取り扱う商品ごとなど、任意の業務単位でグループを分けて利用することで、それぞれの運用ルールにそって自動抽出させたいキーワードなどを設定できます。

複数拠点を運営されている場合はもちろん、複数の企業のお問合せ窓口を請け負うBPO事業を展開されている場合も、お客さまごとのポリシーや運営ルールに則った評価軸で応対品質のチェックが可能になります。

まとめ

いかがだったでしょうか。
評価のバラツキを抑えることで、すべてのオペレーターが同じ基準で評価され、同じ評価基準に応じたフィードバックを受けることが可能になるため、一貫した教育が効果的に適用されるようになり、センター全体の応対スキルの底上げが期待できます。

AI Digの音声認識機能を使ったモニタリングや応対品質のチェック方法について、もっと詳しく聞きたい、実際にデモ環境を使って試してみたいという場合もお気軽にご相談ください。

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