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コンタクトセンターDX最前線

オートコールシステムとは?
督促業務の自動化で業務効率化を成功させた事例を紹介

コンタクトセンターのアウトバウンド業務は、業界や目的によって異なりますが、1日に数百〜数千件の電話をかけるケースもあると言われています。
一方で、コールに出てもらえない・拒否されるなど、顧客との接続率が低く、生産性の低下やオペレーターの負担増加などが課題になっています。そこで、最近ではアウトバウンド業務を自動化するオートコールシステムが注目されています。

今回は、アバイア(Avaya)のオートコールシステムを実際に導入されたお客さまの事例を基に、オートコールシステムの特長や活用メリットについて紹介します。

オートコールシステムとは?

オートコールシステムとは、自動的に発信し、あらかじめ録音してあるメッセージを再生したり、接続した場合はオペレーターに自動で接続したりできる仕組みです。大量の電話による発信業務を自動化できるため、オペレーターの負担を軽減しながら業務効率化が期待できる他、採用難への対応や人件費の削減にもつながります。

【オートコールシステムの活用シーン】
  • 医療機関や宿泊施設などでは、予約客へのリマインドに活用できます。予約の確認や変更、キャンセルなどにもスムーズな対応が可能になります。
  • 金融機関やクレジットカード会社などでは、支払い期日のリマインドや払い忘れた顧客への督促に利用できます。
  • インターネット回線などの通信業者では、顧客へのアフターサービスの提供や別プランやオプションサービスの案内などアップセルに活用できます。

オートコールシステムを導入するメリット

オートコールシステムを導入するメリットは、以下の3つが挙げられます。

① アウトバウンドコールの効率化
大量の架電先に対して一斉に自動発信できるため、1件ずつ手動で架電するのに比べてアウトバウンド業務を大幅に効率化できます。不在や通話中のものはスキップし、接続した顧客だけをオペレーターに接続できるため、オペレーターは効率的により多くの案件に対応できるようになります。

② オペレーターの負担軽減、稼働率の最大化
オペレーターは、1日に何十件、何百件と電話をかける必要がなくなります。さらに、アウトバウンドコールは、不在や話し中、留守番電話になることが多いため、実際に会話が成立する確率が非常に低く、オペレーターの集中力低下や精神的負担になりやすいですが、こうした負担からオペレーターを解放できます。

③ 採用難への対応や人件費の削減
つながらない番号のスキップの自動化や、つながった顧客のみオペレーターにつなぐことができるため、無駄なコールを無くし、少人数でも大量の荷電が可能になります。必要なオペレーター数が削減できるため、採用や教育にかかるコストを最小限に抑えられます。

オートコールシステム導入事例

オートコールシステムの導入を検討されているお客さまの中には、実際に業務でどのように利用されているのか、運用でどのように活用できるのかイメージが難しい方もいらっしゃるかもしれません。ここでは、アバイアのアウトバウンド特化型のオートコールシステム「AVAYA Proactive Outreach Manager(以下、POM)」を導入して、督促業務を効率化されたお客さまの事例を紹介します。

■ 課題/背景

今回ご紹介するお客さまは、1000万口座以上を持つ大手ネット銀行様。インバウンド業務を行いながら、クレジットカードなどの支払いや年会費などが未納の顧客への対応を行なっており、限られたリソースの中でどう対応するかが課題になっていました。
そこで、アウトバウンド業務の効率化を目的に、オートコールシステムを導入することになりました。

■ 提案内容

もともとコンタクトセンター基盤をアバイア製品で構築されていたため、アバイアのアウトバウンドソリューション「AVAYA Proactive Outreach Manager(以下、POM)」をご提案させていただきました。POMは、電話の他にも、メールやSMSを使って顧客に自動的にアプローチできるソリューションです。

今回は、アウトバウンド専用のCRMから抽出した架電リストに対して、POMを使って自動発信し、顧客に接続すると自動的に空いているオペレーターにつなげるようにしています。

■ 提案のポイントは、個別開発によるアウトバウンド業務の半自動化

今回の提案のポイントは、POMが自動発信した結果を自動的にアウトバウンド用のCRMに登録されるように個別開発し、架電リストの抽出〜発信〜CRMへの登録を自動化した点です。架電リストの抽出は手作業になりますが、以降の作業を自動化できたことで、オペレーターに負担をかけずにアウトバウンド業務を繰り返せるようになりました。

また、今回のお客さまでは、顧客からの折り返しがあるとインバウンド専用CRMに応対記録が残るため、インバウンド専用CRMから対象者を簡単に抽出できる仕組みを開発し、対応済みの顧客に再度コンタクトしない仕組みもご提供しています。

アバイアのオートコールシステムPOMの4つの特長

今回のお客さまのように、既にアバイア製品でコンタクトセンターを構築されている場合は、Avaya POMの導入がもっともスムーズです。ここでは簡単にアバイアのオートコールシステムPOMの特長を4つご紹介します。

■ CRMとの連携で応対がスムーズに

POMはCRMと連携できるため、オペレーターは顧客とつながると同時に自動的に表示される顧客情報を確認しながら応対できます。
また、POMが自動発信した電話をオペレーターが対応する場合、専用の通話アプリを利用するのですが、通話アプリは、顧客名などの表示項目の変更など、各企業の運用にあわせてカスタマイズすることもできます。

■ 架電条件の設定も自由自在

督促業務に関しては、朝の8時前や夜9時以降に電話することが法律で禁じられている他、日本賃金業協会の自主規制基本規則では、1日に4回以上の電話連絡は規制されています。
POMでは、自動発信する時間帯の設定や、架電回数を設定することもできるため、こうした規制に準拠しながら効率的なアウトバウンド業務が可能になります。

■ 自動発信の停止は架電止めリストで対応

不在だった顧客から折り返しがあった場合(インバウンドがあった場合)など、架電リストとして登録してしまった顧客の自動発信を止めたい場合は「架電止めリスト」をPOMに登録することで自動発信を制御することができます。

■ IVRとの連携で、接続後の応対の自動化にも対応

POMは、アバイアのIVRソリューション「Avaya Experience Portal(以下、AEP)」上で動くため、顧客に接続後、オペレーターではなくIVRに接続し、自動音声ガイダンスで対応することも容易です。予約確認やアンケート調査に利用する場合は、IVRに接続しプッシュ操作で回答できるようになり、集計なども簡単にできます。

いかにシンプルに連携できるか?オートコールシステム導入時は、通話録音システムとの連携にも注意が必要。

オートコールシステムは、CTIやCRMなど、コンタクトセンターで利用しているさまざまなシステムとの連携が不可欠です。
今回ご紹介した事例でもオートコールシステムによる自動発信時の応対もきちんと録音できるように、POMと通話録音システムの連携が必須でした。

通常、通話録音システムは通話開始とともに録音を開始し、切電とともに録音を終了します。しかし、POMの場合、オペレーターは専用の通話アプリにログインした状態で待機しているため、これを通話録音システム側が「通話開始」と勘違いして、実際に顧客につながっていない状態から録音を開始してしまうことがあります。
このようなケースでは、通話録音システムには連続して録音可能な時間に制限があるため、いざ顧客につながって録音をしたい…という時に録音されていないということにもつながりかねません。

実際の発話/終話のタイミングで録音を開始/終了できるように、既存のコンタクトセンター基盤の構成を考慮して、適切に設計・構築できるベンダーに依頼するようにしましょう。

まとめ

今回は、オートコールシステムの導入事例と併せて、アバイアのオートコールシステムPOMについてもご紹介しました。いかがだったでしょうか。

アウトバウンド業務の効率化や、さらなる営業活動の強化を検討されているお客さまで、今の環境にオートコールシステムを導入できるか詳しく知りたいという方は、はぜひS&Iまでご相談ください!現在お使いのコンタクトセンター基盤や運用フローに応じたご提案で、お客さまの課題解決をご支援いたします。

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