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コンタクトセンターDX最前線

【Vol.12】リアルタイムならもっと便利に!
音声認識技術で「聞く」から「見る」モニタリングへ

2024/02/21

コンタクトセンターにおける応対品質の向上は、顧客満足度の向上や企業・サービスの信頼性の獲得において極めて重要な要素になっています。

特に最近では、顧客は自身で調べたが解決できなかったからコンタクトセンターに問い合わせるという傾向が非常に高いため、問い合わせした際に、素早く正確な対応を受けられることが、顧客満足度を高める鍵になると言えるでしょう。

一方で、お問い合わせに対する応対品質の向上を目的にしたチェックはどのように実施されているのか。多くのコンタクトセンターでは、以下のような方法でモニタリングをおこなっています。

【主なモニタリング手法】
  • スーパーバイザーやマネージャーがリアルタイムで監視している
  • 通話録音データを活用して業務終了後にチェックしている


こうしたモニタリング手法では、複数のスーパーバイザーやマネージャーが同じ応対内容をチェックし、評価のブレを防ぐカリブレーション(耳合わせ)を定期的に実施しているケースが圧倒的です。

しかし、スーパーバイザーはオペレーターのコーチングや研修などを担当することも多く、通常の業務に加えて、モニタリングの時間を確保することが難しいのが現状です。また、最近では、在宅対応している場合オペレーターの状況が把握できないといった課題も見られます。

そこで最近注目されているのが、音声認識システムを活用した「見るモニタリング」です。

音声認識技術を活用した「見るモニタリング」が課題を解決!

最近では、AIによる音声認識システムの導入により、録音したデータをテキスト化してチェックする「見るモニタリング」を採用するケースが非常に増えています。従来の音声データによる「耳で聞くモニタリング」と比較すると、評価のリアルタイム性や精度と正確性の向上により、応対品質管理業務の効率化が期待されています。

それでは、音声認識技術を活用したモニタリングの特長を見てみましょう。

音声認識技術を活用したモニタリングでは、顧客とオペレーターの会話内容を自動でテキスト化し、テキスト化された内容を分析、評価します。
「解約」や「キャンセル」、値引き交渉に関連するワード、クレームにつながるような不適切な発言やネガティブなワードを事前に登録しておくことで、これらのワードが含まれる発話を自動的に検知することもできます。

カリブレーションを行わなくても、自然言語解析を活用したネガティブワード検出や音声波形のトレンドを活用するクレーム検知(感情分析)など、音声認識結果をもとにAIに評価させることで、評価基準がブレることなく一定の評価ができるようになります。
従来の音声データによる聞くモニタリングでは、評価者の聞き取り能力に依存しますが、音声認識技術を活用したモニタリングでは、テキスト化された内容をAIのアルゴリズムに基づいた解析を行うため、評価者によって評価結果がバラバラということもなくなり、評価精度の平準化が可能になります。

また、音声データをチェックする場合はオペレーターが1件ずつ確認するしかありませんでしたが、音声認識技術を活用した見るモニタリングでは、1人のオペレーターが同時に複数の応対をチェックすることも可能になります。

多忙なスーパーバイザーやマネージャーなどがモニタリングに割く時間を従来よりも大幅に削減しながら、全てのオペレーターの応対内容を日々チェックすることも不可能ではありません。

【音声認識による見るモニタリングのメリット】
  • 時間をかけずに全件チェックができる
  • 事前に登録しておいたキーワードを自動的に抽出することができる
  • 評価基準が平準化でき、カリブレーションも不要になる
  • 一人のスーパーバイザーが一度に複数の応対内容を確認できる

リアルタイムでの音声認識なら、より効果的なモニタリングも

さらに、「リアルタイム」に音声認識できるサービスを利用すると、応対品質の評価だけではなく、クレームやトラブル時のエスカレーション時に活用したり、スーパーバイザーが能動的にフォローに入ることも可能になります。

■ スムーズなエスカレーションにも

特に、エスカレーションの際は、問い合わせ内容や状況の共有に手間と時間がかかることも問題の1つになっています。リアルタイムに音声認識された結果から、応対のどこに問題があったのかをスーパーバイザーが直接確認し、スムーズに引き継げるようになります。また、問題のあった箇所を見ながらオペレーターに対して具体的な指導を行うこともできます。

■ 能動的なフォローにも

オペレーターによっては、エスカレーションするタイミングの判断が難しい場合もあります。また、判断をすべてオペレーター任せにしてしまうと、適切な対応ができず、事前に防げたかもしれないトラブルやクレームにつながってしまうこともあります。
音声認識された結果をリアルタイムにモニタリングすることで、オペレーターがエスカレーションする前にフォローに入れます。

そして、近い将来、テキスト化された会話内容から生成AIが「応対の良し悪しを判断」し、直接オペレーターにアドバイスや気付きを与えてくれる新しい形の品質向上の仕組みも登場するかもしれません。こうしたAI技術をうまく運用に取り入れていくことで、スーパーバイザーやマネージャーなどの管理者は、モニタリングに割く時間を最小限に抑え、オペレーターのモチベーション維持や心のケアなどに時間をかけられるようになるでしょう。

リアルタイム音声認識を活用した応対支援サービス「AI Dig」では、事前登録したワードのラベル表示や応対に時間のかかっているコールのアラート表示などの機能でモニタリング業務の効率化が可能です。どんなことができるのか詳しく聞きたい、実際にデモ環境を使って試してみたいという場合もお気軽にご相談ください。

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