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コンタクトセンターDX最前線

【Vol.03】“在宅コンタクトセンター”が成功しない理由とは?
AI音声認識技術×クラウドPBXで解決

2023/05/18

コロナ禍を経て、コンタクトセンターを取り巻く環境も大きく変化し、在宅勤務制度を設けたコンタクトセンターも多いのではないでしょうか。

実際、コールセンター白書2022によると、在宅対応するために「電話対応のPBXなどコミュニケーション基盤をクラウド化した」というセンターは48.9%を占めており、今後も恒常的に一定の比率で在宅センターを運用するという方針をとるセンターは、6割におよぶそうです。

一方で、コンタクトセンターの在宅化における課題も浮き彫りになってきています。
オペレーターとスーパーバイザーのそれぞれの立場からを見てみましょう。


在宅コンタクトセンターの導入で挙がる課題

[オペレーター視点]
  • ・リーダーが近くに居なくサポートを受けられない
  • ・1人で作業する不安感
  • ・在宅環境に起因する通話障害(環境音の入り込み、通信問題等)


[スーパーバイザー視点]
  • ・オペレーターの稼働状況が見えない
  • ・トラブルにすぐに気づけない・サポートに入れない
  • ・適切に評価・教育できない



特に、オペレーターのメンタルヘルスの問題は離職につながる可能性が大きく、コロナ禍では、外食、観光などで雇い止めなどに見舞われた有期契約人材の活用で人材を確保できていたものの、今後、そうした恩恵もなくなり、一気に採用難が深刻化すると言われているコンタクトセンター業界においては、非常に重要な課題と言えるでしょう。

そのため、在宅や時短などの多様な働き方へ対応するとともに、リアルタイム性が電話ほど問われないノンボイス系の対応・お客さまに自己解決を促すAIを駆使したエフォートレス化対応・在宅業務環境におけるセキュリティを補完する仕組みに対応するなど、スタッフが安心して働ける環境づくりや教育・評価の取り組み強化が重視されるようになっています。

こうした課題におすすめのサービスとして、AIの音声認識技術を活用したサービスを2つご紹介します。どちらもクラウドPBXと簡単にAPI連携できるため、在宅化にも最適です!

フォローできる/してもらえる!自信を持って対応できる! 在宅でもオペレーターが安心して働ける環境を作れる「応対支援サービスAI Dig」

AI Dig(エーアイ・ディグ)は、AIの音声認識技術を活用したオペレーター向け応対支援サービスです。

お客さまとオペレーターの会話内容をリアルタイムにテキスト化し、事前に登録した不適切なワードなどが発話に含まれるとラベル表示で視覚的に注意を促します。また、時間を要している応対にはアイコン表示で気づきを得られるようになるため、フォローすべき応対を効率に判断できます。

このように、スーパーバイザーは、ログインしている全オペレーターの応対状況を、リアルタイムに視覚的に確認できるようになるため、フォローを必要としているメンバーを適切なタイミングで能動的にサポートできます。

エスカレーションや手あげ対応ができない/難しいといった状況においても、AI Digを利用することで、フォローしてもらえる/フォローできる環境が作れるようになるため、オペレーターへ安心感を提供できるでしょう。

また、AI Digは、お客さまの言葉をもとにAIが回答候補を導き出す検索機能も搭載しています。
「こんな問い合わせ(お客さまの困りごと/体験したこと)は、こうやって解決した」というオペレーターがお客さまから伺った質問と回答の紐付け(ナレッジ)を蓄積し、役に立ったかどうかをGood/Badで評価することで、運用しながら回答精度を最適化していくことができます。

キーワード検索ではなく、蓄積された「他のオペレーターの経験値」をもとに回答候補を導き出せるため、初めての質問に対しても、自信を持ってお客さまに回答をご案内できるようになります。

実際にAI Digを導入いただいたお客さまでは、この検索機能の活用で、オペレーターの自己解決率が約9%向上したなど、特に、新人オペレーターでは自信につながっているという結果も出ています。

見えるモニタリングで適切な教育・評価を実現!全件チェックを可能にする応対品質管理支援サービス「AI Log」

次に紹介するのが、応対品質管理支援サービス「AI Log(エーアイ・ログ)」です。

AI Logは、音声データをAIの音声認識技術を活用して自動でテキスト化することで、「聞くモニタリング」から「見るモニタリング」で応対品質をチェックできるサービス。

AI Logは、全応対を自動でテキスト化するとともに、AIが自動的に発話に含まれる不適切な表現やご案内漏れなどを自動的に抽出するため、サンプリングや定期的なチェックでは見落としてしまうものもすべて効率的にチェックできます。

特に、AIが自動で問題の箇所を抽出する仕組みは、評価者によって評価結果が変わってしまうなどの「評価軸のブレ」を抑制し、平準化できるというメリットもあります。実際に導入いただいた企業さまでも、「担当者の経験や知識によって正しく指導できるか差が生じてしまっていたが、禁則ワード機能(不適切な表現の自動抽出機能)の活用で、指導レベルを均一化できるようになった、新人教育の現場で効果が出ている」といった声を頂いています。

また、分析機能を利用することで、オペレーターごとの傾向や特長を可視化・分析できるため、定量的なフィードバックで頑張りをきちんと評価できる他、不得意な箇所の重点的な教育も可能になります。オペレーターのモチベーションの向上が期待できます。

近年シェアを伸ばす、クラウドPBX「Genesys Cloud CX」とも柔軟に連携できる!

AI DigとAI Logは、近年国内でのシェアを伸ばしているGenesys Cloud CXとも容易にAPI連携できます。

Genesys Cloud CX上でAI Digを利用するには?

既存環境にソフトウェアタイプのコンバージャを導入するだけで、Genesys Cloud CXのソフトフォンでも、ブラウザ利用(WebRTC)でも話者分離できます。その他の設備投資は必要ありません。応対業務の効率化や応対品質の向上、オペレーターの教育時間の削減などが期待できます。

Genesys Cloud CX上でAI Logを利用するには?

クラウド間での接続により、通話情報・録音データを転送させます。Genesys Cloud CXを介した通話情報および録音データを自動的にAI Logに取り込み、音声認識処理をできるようにします。拠点側/PBX間での音声ミラーリングや、キャプチャーサーバの構築などは必要ありません。

AI Dig、AI Log共に、個別のカスタマイズや、設備等の無駄な投資をせずにご利用いただけるため、居場所を問わないコンタクトセンター運用を目的にクラウドPBXの導入を検討されているお客さまにオススメです!

S&Iエンジニアからの一言!

働き方の多様性を目指し、コンタクトセンターのデジタル化を多くのお客さまが進められています。その背景には、生成型AIを始めとするテクノロジーの進歩と、導入しやすいコストとそれに見合う効果が出てきているからです。
PBX、音声系開発、エフォートレス化、ナレッジ運用等、お客さまのデジタル化推進をテクノロジーサイドから力強くサポートさせていただきますので、ぜひお問合せください。

佐々 博音:
S&Iへ入社後、スポーツ・メディア・通信キャリア系のオープン系Webシステムやクラウドサービスの企画・構築に従事。
2016年より言語処理・音声認識技術を中心とした自社AIサービスブランド「sandi AI」を立ち上げに携わる。最近では、コンタクトセンター市場のエフォートレス化・デジタル化ニーズへの支援を推進している。

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