チャットボットやFAQの充実など、顧客による自己解決を促すセルフサービスの提供が広まる中、顧客満足度やブランド価値の向上を目的に改めて注目されているのが、電話による問い合わせ窓口などの「音声チャネル」の最適化です。
今回は、音声チャネルの自動化として注目される「ボイスボット」に焦点を当て、最近の動向とS&Iの取り組みについてご紹介します。
S&Iデジタルエンゲージメント本部 デジタルコミュニケーション sandiAI&APDディールハブ 副部長 成瀬雅祥
S&Iデジタルエンゲージメント本部 デジタルコミュニケーション sandiAI&APDディールハブ 山根友彬
S&Iデジタルエンゲージメント本部 デジタルコミュニケーション sandiAI&APDディールハブ 金子和樹
■ 会話要約
ボイスボットで聞き取る住所や電話番号といった本人確認用の属性など、あらかじめ定義していた情報を抜き出すだけではなく、会話内容から重要ポイントを抜粋し、要約させることができます。ボイスボットからの引き継ぎ時に、オペレーターがボイスボットとどのようなやり取りがされていたかを容易に確認することができ、その後の対応がスムーズになります。
■ 項目抽出
生成AIを利用して意図を理解させることで、真のニーズを的確に把握することが可能になります。一問一答形式でヒアリング項目を埋めていくシナリオになっていなくても、顧客が自由に話す内容から意図を理解して必要な項目を抜き出すことができます。「x月y日からz日間」や「来週の火曜日から木曜日までの間」など、人によってさまざまな表現がされる場合も正しく理解できます。
■ 転送先の振り分け
顧客が話す内容を認識し、適切な窓口に自動で振り分けることができます。あらかじめボイスボットで定義することが難しい振り分け先や、定義していなかった内容であった場合も、意図を推測して振り分けが可能になります。ボイスボットだけでは振り分け先を判断できず、特定のオペレーターに転送が偏ってしまうことの抑制にもつながります。