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情シス担当者のためのサーバー/プラットフォーム Tech Blog

進化するLenovoのストレージソリューション
「Lenovo ThinkSystem DM/DGシリーズ」の魅力とは?

企業システムの中核を担うストレージには、性能や容量だけでなく、将来を見据えた「拡張性」と、いかなる状況においても、サービスを止めずに稼働し続けられる「信頼性」が求められています。そうした要件に応えるのが、今回ご紹介するLenovoのエンタープライズ向けストレージ「ThinkSystem DM/DGシリーズ」です。

クラウド活用の進展やデータ量の増大により、ストレージ基盤はますます重要性を増しています。一方で、運用の複雑化や可用性確保、データ保護といった課題も顕在化しており、堅牢で柔軟なストレージ基盤の選定が欠かせません。

ThinkSystem DM/DGシリーズは、ONTAPを基盤とし、高可用性・高性能・効率的なデータ管理を実現するストレージソリューションです。オールフラッシュからハイブリッド構成まで幅広いラインアップを備え、ファイルサーバーから仮想化基盤用ストレージ、AIまで、幅広い用途に対応可能です。

本コラムでは、「Lenovo ThinkSystemとは何か」から、DM/DGシリーズの特長、ONTAPの概要、製品ラインアップまでを整理し、Lenovoストレージソリューションの全体像をご紹介します。次回取り上げるランサムウェア対策を理解するための基礎として、ぜひご一読ください。

Lenovo ThinkSystemストレージとは?

Lenovo ThinkSystemストレージは、パフォーマンスと効率性を追求して設計された、エンタープライズ向けストレージ製品群です。

昨今、ストレージは単なる容量拡張のための装置から、省電力・高性能・高集積を同時に実現するITインフラの中核へと進化しています。Lenovo ThinkSystemストレージは、こうしたニーズに応える形で、世代を重ねるごとに進化を続けています。

例えば、最新世代の一部モデルでは、電力消費量を抑えながらパフォーマンスを最大3倍まで向上させるなど、高性能化と省電力化の両立を実現しています。さらに別のモデルでは、10K HDDを搭載した従来製品と比較して、最大97%の電力削減と99%の高密度化を実現するなど、データセンターの設置スペース削減やTCO削減に大きく貢献するソリューションと言えるでしょう。

また、ThinkSystemストレージは、ユニファイド・ストレージやSANストレージ、JBODなど、複数のシリーズをラインアップしており、用途や要件に応じて柔軟に選べるのも魅力の1つです。

中でも、ONTAPを採用しているDM/DGシリーズは、性能・拡張性・信頼性のバランスに優れており、用途ごとに分散しがちなデータ基盤を統合し、管理負荷を抑えながら高い安全性と拡張性を実現しています。仮想化基盤からAI・分析、コンテナ、災害対策まで、企業ITの幅広い用途を支える柔軟なストレージ基盤として幅広く活用されています。

Lenovo ThinkSystem DM/DGシリーズの概要

Lenovo ThinkSystem DM/DGシリーズは、NASとSANのサービスを1つのシステムで提供できるユニファイド・ストレージです。

[DMシリーズ]

DMシリーズは、オールフラッシュアレイ(Performance-Flash)構成と、NL-SAS HDDおよびSAS SSDを組み合わせて利用できるハイブリッドフラッシュアレイ構成の2種類で展開されています。高い可用性と安定したパフォーマンスを備え、障害発生時もサービス停止を最小限に抑えられる設計が特長です。そのため、基幹系システムや業務停止が許されないミッションクリティカルな環境にオススメです。

ラインアップは、小〜中規模環境や初期導入に適したエントリーモデルから、基幹系システムや高負荷業務を支える高性能モデルまで、環境規模に応じて選択可能です。

全モデルが200Vに対応しており、機器設置先には200V対応のIEC C13口を持つPDUが必要となります。(※DM3200Fは、100/200V対応)
また、ホストインターフェースは、Fibre Channel、Ethernetから選択でき、用途に応じた構成が可能です。電源要件や接続方式が明確で、設置環境に合わせて導入しやすい点もDMシリーズの特長です。

[DGシリーズ]

一方、DGシリーズは、QLC SSDをベースにしたオールフラッシュ(Capacity-Flash)構成の製品で、DMシリーズで培われた高い可用性や運用性を継承しています。

下位モデルのDG5200でも、2U筐体で500TBを超える構成が可能であり、30TBドライブを搭載した拡張筐体を追加することで、6Uで1.5PBを超える大容量構成を実現できます。

これまで、プライマリファイルサーバーはSSD/SAS、バックアップ用途はNL-SASといったように、用途ごとにドライブ種別を分けた構成をご提案するケースが一般的でした。しかし、近年は価格差が縮小しており、QLC SSDを採用したDGシリーズは、プライマリ用途、バックアップ用途のいずれにも柔軟にご利用いただけます。

例えば、大量の3.5インチHDDで構成された従来の大容量ファイルサーバーをDGシリーズへ置き換えることで、設置スペースや消費電力を大幅に削減でき、スペース効率・電力効率の向上に大きく貢献できるでしょう。


※DGシリーズも全モデルが200Vに対応しており、ホストインターフェースもFibre Channel、Ethernetから選択できます。

DM/DGシリーズで採用されているストレージOS「ONTAP」

DM/DGシリーズは、すべてのモデルにストレージ専用のOS「ONTAP」を標準搭載しており、ハードウェアの違いを意識せず、同じ操作感で運用できます。ここでは、ONTAPの特長とあわせて、ONTAPを採用したDM/DGシリーズだからこその強みについて紹介します。

1. 機能性

ファイルサーバー、仮想基盤、データベースなど、システムごとにストレージを分けている環境は少なくありません。用途ごとに最適化できる一方で、管理や運用が複雑になりやすいという課題もあります。

ONTAPは、CIFS(SMB)、NFS、iSCSI、FCPといった主要なストレージプロトコルをサポートしており、異なるワークロードであっても、ストレージを用途別に分ける必要がなく、1つの基盤としてまとめて扱うことができます。

また、Snapshotやレプリケーションといったデータ保護機能も標準で備えており、バックアップや災害対策をシンプルに構成できる点も特長です。機能追加のたびに別製品を組み合わせる必要がなく、設計や運用を過度に複雑にしません。

拡張性の面では、ディスクやSSDを追加するスケールアップだけでなく、コントローラを追加するスケールアウトにも対応しています。システムを止めずに段階的な拡張が可能なため、将来のデータ増加や負荷変動を見据えた運用が行えます。

DM/DGシリーズは、オールフラッシュ、ハイブリッド、大容量構成といった異なるハードウェア構成であっても、共通してONTAPを採用しています。構成や規模が変わっても操作感や管理方法は変わらず、「長く使い続けられるストレージ基盤」として選びやすい点が強みと言えるでしょう。

2. 運用性

ストレージを同一メーカーで統一していても、モデルごとに操作方法や障害対応が異なり、運用が煩雑になるケースは少なくありません。

DM/DGシリーズは、すべてのモデルでONTAPを搭載しているため、管理画面・操作体系・監視・障害通知が共通化され、運用の標準化を図りやすい点が大きな特長です。

障害発生時には、ONTAPが状態を共通の形式で検知・通知するため、同種の障害であれば同じアラートや通報内容となり、迅速な一次切り分けと対応が可能です。

また、Lenovo Support Site への製品登録することで、メーカーの保守サポートへの自動通知も可能です。(ただし、インターネット接続が必要です。)また、Lenovoのサーバー製品と組みあせて利用する場合は、サーバー・ストレージ製品の保守サポートを一括管理が可能で、障害対応の属人化を防ぎます。

このようにONTAPは、ストレージの世代やモデルの違いを意識させない統一された運用基盤を提供し、管理者の運用負荷軽減と安定したシステム運用を支えます。

3. セキュリティ

ONTAPには先ほどご紹介したSnapshotやレプリケーション機能の他に、通常とは異なるアクセスパターンやデータ変更の兆候をストレージ自身が検知し、自動的にSnapshotを作成するとともに、管理者へ通知するランサムウェア自動攻撃検知機能(ARP: Autonomous Ransomware Protection)も標準搭載されています。

ARPは、ファイルの急激な暗号化や更新頻度の変化など、いわゆる「普段と違う振る舞い」をストレージレイヤーで検知する仕組みです。被害が拡大する前にスナップショットを取得できるため、万が一ランサムウェアに感染した場合でも、被害範囲を限定し、迅速な復旧につなげることが可能です。セキュリティ製品を追加導入する前段として、データを保持するストレージ自身が防御の一部を担う点は、大きな安心材料と言えるでしょう。

なお、ARPはONTAPがファイルシステムを管理している構成で利用可能な機能で、ブロックアクセスのみの構成では対象外となるため、導入時には構成設計の確認が重要です。

DM/DGシリーズは、こうしたONTAPのセキュリティ機能を、オールフラッシュ構成からQLC SSDを用いた大容量構成まで共通して利用できます。構成や用途が変わっても、セキュリティポリシーや運用手順を変える必要がなく、長期的に見ても安定したデータ保護を実現できる基盤と言えるでしょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。

DM/DGシリーズでは、ランサムウェア対策や筐体間のミラー機能を含む高度な機能まで使用できる「Unified Complete」と、サーバーや利用者向けの保存領域の作成や、Snapshot取得などの基本機能を備える「Unified Essentials」の2つのライセンスエディションが提供されています。

「Essentials」でもSnapshot機能や、ONTAPのみで実装可能なFpolicy機能を利用することで、ファイル拡張子のホワイトリスト/ブラックリスト制御が可能です。例えば、代表的なランサムウェアの拡張子を書き込み禁止に設定するだけでも、比較的容易にランサム対策の第一歩を踏み出すことができます。

一方で、先ほどご紹介したランサムウェア自動攻撃検知機能(ARP)は「Complete」エディションのみで利用可能です。異常なふるまいをストレージ自身が検知し、自動的にSnapshotを取得する仕組みまで含めて検討したい場合には、「Essentials」だけでは十分とは言えません。

そのため、弊社では将来的な脅威への備えや運用負荷の軽減まで含めて検討される場合は、「Complete」をおすすめしています。

【この記事の執筆者】加藤 タクマ(かとう たくま)

1993年S&I入社。ONTAPとはIBM Nシリーズ時代からの長い付き合いで、Lenovo ThinkSystemの前身であるIBM System Xとともに多くの提案を手がける。現場のデリバリ担当スペシャリストから寄せられる生の声をもとにした支援を得意としている。社内の検証環境でもONTAPを活用し、自身の“愛機”として活躍中。

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