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【Vol.6】Omnissaへの移管でHorizonライセンスはこれまでどおり継承されるのか?変更点をまとめて解説

2024/12/17

VMwareの End User Computing (EUC)部門がBroadcomから売却され、Omnissa (オムニッサ) という新会社で展開されることになりました。

今回は、Omnissaで新たに展開することになったことで何が変わるのか?Horizonの取り扱いを中心に解説します。

Omnissaとは?

Omnissaは、VMwareのEUC部門がBroadcomから独立して新設された会社で、2024年10月1日より新ブランドとして展開をスタートしています。

主要製品は、仮想デスクトップソリューションの「Horizon」および統合エンドポイント管理ソリューションの「Workspace ONE」になります。
この2つの製品を中心に、「仮想デスクトップ&アプリ」「統合エンドポイント管理」「セキュリティ&コンプライアンス」「従業員体験」の4つのソリューションを提供していくとしています。また、今回の独立を経て、これまでは難しかったGoogleやMicrosoft、Amazonなどとの柔軟なパートナーシップも強化してくとしています。

Omnissaへ移管後のHorizonライセンスの変更点とは?

結論からお話しすると、会社は変わったものの、Horizonのエディション体系や機能に大きな変更点はありません。

しかし、一部変わったこともあるため、ここでは、皆さんには知っておいていただきたい変更点をまとめてご紹介します。

■ ライセンス体系について

VMware時代のHorizonライセンスには、VDIを稼働させるための仮想基盤のライセンスとして「VMware vSphere Desktop」というVMware vSphere Enterprise Plus相当の機能が使用できるライセンスがバンドルされていました。Omnissaに移管後は、「VMware vSphere Foundation for VDI」という上から2番目のエディションがバンドルされるようになりました。別途、BroadcomからvSphereライセンスを購入する必要はないため、二重課金とならないように注意してください。

なお、VMware vSphere Foundationを単体でBroadcomから購入する場合はハードウェアのコア数に応じたライセンス購入となりますが、VMware vSphere Foundation for VDIの場合はVDIを利用するユーザー数に応じたライセンス購入となります。コア数に制限はありません。ライセンス数の考え方がBroadcom製品と異なる点もポイントです。

■ 保守について

続いて保守の観点で見てみましょう。

Horizonに関するテクニカルサポートを依頼する場合、問い合わせ先はもちろんOmnissaとなります。さらに、VMware vSphere Foundation for VDIの部分に関する問い合わせ、つまり仮想基盤に関するテクニカルサポートもOmnissaへ依頼することになります。

HorizonとvSphereで提供元がOmnissa・Broadcomに分かれても、問い合わせ先が2つに分かれることはありません。お客さまは、ハードウェアに起因する障害なのか?仮想化基盤またはHorizonに起因する障害なのか?という一次切り分けを行った上でハードウェアの場合はハードウェアメーカーに、仮想化基盤またはHorizonの場合はOmnissaに問い合わせることになります。

ただし、VMware vSphere Foundation for VDIのライセンスの管理・アップグレード等については、Broadcom社のサポートポータルでの作業が必要になります。基本的にVDI環境を数年運用してvSphere EOL対応のためのメジャーバージョンアップなどがない限り発生しませんが、実際作業する際に慌てることがないようにあらかじめ把握しておいていただきたい点です。

シンクライアント専用端末もご提案!VDI環境の構築・更改はS&Iにご相談ください

Omnissaへのスピンオフにより大きな変更の可能性も取り沙汰されていたHorizonライセンスですが、蓋を開けてみるとVMware時代と同様の内容で提供されることになりました。Horizonユーザーの方は安心されたのではないでしょうか。

Horizonは、特にリモートワーク環境において、セキュリティ、スケーラビリティ、効率性を兼ね備えたVDIソリューションとして注目されており、S&Iでも多くの構築支援を行なっています。また、最近では、オンプレミスのVDIソリューションだけではなく、初期コストが抑えられるDaaSのご提案も増えています。

S&Iでは、VDI環境の構築だけではなく、ThinBoot ZEROというシンクライアント端末も扱っておりますので、端末から接続先のVDI環境構築までトータルでのご支援も可能です。
端末も含めてより高いセキュリティで業務を推進したいお客さまは、ぜひS&Iまでお声がけください。

【この記事の執筆者】新井 健太(あらい けんた)

サーバーエンジニアとして、業種問わず多くのお客さまへVDIのご提案および導入に携わる。働き方改革や端末セキュリティ向上を目的としたご支援を多く手がけてきた経験をもとに、最近ではプリセールスエンジニアとしてVDIはもちろん、HCIやハイブリッドクラウドなどの技術検証から提案に至るまで、お客さまがインフラに抱える課題に対して、技術的な側面からの解決に向けた柔軟な提案を行っている。

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