MicrosoftはDaaSソリューションとしてAzure Virtual Desktop(AVD)を提供していましたが、2024年2月、ついにオンプレのAzure Local (旧Azure Stack HCI)上でAVDを実行できる「AVD on Azure Local」の提供を開始しました。
(※Azure Stack HCIは、2024年11月からAzure Localに名称を変更しています)
今回は、VDIを利用中もしくは検討中のお客さまに向けて、AVD on Azure Localの目玉機能や注意点についてご紹介します。既にHorizon等のオンプレVDIを運用されているお客さまにも知っておいていただくことで、次期VDIの選択肢が広がると思いますので、ぜひ参考にしてみてください!
オンプレVDI | AVD(DaaS) |
AVD on Azure Local
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イニシャルコスト | × 高価 |
○ 安価 |
△ オンプレVDIとAVDの中間 |
ランニングコスト | ○ 安価 |
× 使用量に応じた課金 |
△ オンプレVDIとAVDの中間 |
カスタマイズ | ○ 自由に設計可能 |
× 選択できるVMリソースに制限あり |
○ 自由に設計可能 |
セキュリティ | ○ リソースを自社保有 |
△ リソースを共有 |
○ リソースを自社保有 |
社外からの接続 | × 可能だが、構成要素が増加 |
○ 標準設定で接続可能 |
○ 標準設定で接続可能 |
社内からの接続 | ○ 拠点・DC間を高速接続可能 |
× 拠点・クラウド間のネットワーク設計が必要 |
○ RDP Shortpathを使って拠点・DC間を高速接続可能 |
マスター展開機能 | ○ Horizonのインスタントクローンなど効率的な展開機能を搭載 |
△ フルクローンのみ |
△ フルクローンのみ |
マルチセッションOS | × Windows ServerによるRDSのみ対応 |
○ Windows 11などのクライアントOSも対応 |
○ Windows 11などのクライアントOSも対応 |
拡張性 | × VDI拡張のためにハードウェア調達が必要 |
○ クラウドのため、ハードウェアを調達せずに拡張可能 |
× VDI拡張のためにハードウェアの調達が必要 |
運用負荷 | × ハードウェア・仮想基盤・VDI管理サーバ・VDIと運用対象が多く負荷が高い |
○ ハードウェア・仮想基盤・VDI管理サーバの運用不要。VDIに運用を集中できる |
△ 管理サーバーの運用は不要。ハードウェア・仮想基盤・VDIの運用が必要 |
オススメのお客さま | 社内システムの多くがオンプレミスに存在する企業
オンプレVDI製品が持つマスター展開機能を活用したい企業 |
社内システムの多くがクラウド環境に存在する企業
グローバルなVDI展開が必要な企業 |
社内システムの多くがオンプレミスに存在する企業
DaaSを検討したことがあったがユーザーデータをオンプレに置けずに挫折した企業 |
【この記事の執筆者】新井 健太(あらい けんた)
サーバーエンジニアとして、業種問わず多くのお客さまへVDIのご提案および導入に携わる。働き方改革や端末セキュリティ向上を目的としたご支援を多く手がけてきた経験をもとに、最近ではプリセールスエンジニアとしてVDIはもちろん、HCIやハイブリッドクラウドなどの技術検証から提案に至るまで、お客さまがインフラに抱える課題に対して、技術的な側面からの解決に向けた柔軟な提案を行っている。