エス・アンド・アイ株式会社(東京都中央区 代表取締役社長:藤本司郎。以下、エス・アンド・アイ)は、2011年からサービス提供しているクリニック向け電子カルテサービス『Karte Cloud(カルテクラウド)サービス』の基盤を、2013年11月1日から独自に開発を行ったカルテソフトウェアに切り替えることを発表します。
この度、エス・アンド・アイは、2000年に経済産業省の公募事業である「ドルフィン・プロジェクト」で開発されたオープンソースの電子カルテをベースに、ソフトウェア・アーキテクチャの改善を行いました。『Karte Cloudサービス』は、これまでと変わらずクラウドサービスとして提供されているため、電子カルテを導入する際のサーバーの設置スペースや空調設備、導入コストや保守料金などの課題からクリニックを解放します。
『Karte Cloudサービス』の提供開始より、過去2年にわたってエス・アンド・アイには、ご利用いただいている医師や販売代理店からの要望が蓄積されていました。より医師にとって使いやすく、安心して医療行為に専念できるようにする、さらに昨今の進化著しいスマートデバイスなどへの対応や、BI(ビジネスインテリジェンス)への対応、メンテナンス性に優れた安定したIT基盤の必要性が求められていました。こうした意見・要望を継続的に反映し、将来にわたって進化させていくために、独自開発を行うに至りました。
【新アーキテクチャの採用】
新たなアーキテクチャとして、JavaFXを採用しています。これによりプラットフォーム依存のないリッチなインターフェイスを持つクライアントアプリケーションが簡単に提供できるようになりました。Windows、MacなどのPCプラットフォームに加え、 iPhone、iPad、Androidなどのスマートデバイスなど、医師がカルテを利用したいデバイスに対応するアプリケーションを素早く提供できるようになると同時に、オープンソース・コミュニティのすそ野をさらに広げます(スマートデバイスの専用ビューワは2013年11月下旬配布を予定、スマートデバイスで読み書きのできるカルテアプリケーションは2014年1月を予定)。また、クラウドで蓄積される医療データの連携や、ビジネスインテリジェンスなど分析ニーズの到来に備え、基本データベースエンジンにはIBM DB2 Express-Cを採用しています。
【カルテ操作感の改善】
この数年でカルテデータを参照するPC用ディスプレイが大型で高解像度になっている現状を鑑み、昨今のディスプレイサイズに合わせたレイアウトに改善されました。また、ウィンドウが複数開くことを極力抑え、ドラッグ&ドロップの省略も可能にするなど、操作性の向上を追求しています。医師がより効率的にカルテへのマッピングができるよう、JavaFXのアドバンテージを活かして継続的に改善してまいります。
【レセプト『ORCA』との連携の強化】
『Karte Cloudサービス』は、日医標準レセプトソフトの『ORCA(オルカ)』と連携します。この度の改良から、ORCAプロジェクトが推奨している「日医標準レセプトソフトAPI」を使って接続するため、これまで以上にORCAとの連携が強化され、ORCAのバージョンアップによる仕様の差分発生を極小化することを実現しました。
【よりスムーズな移行サービス】
現在、エス・アンド・アイの『Karte Cloud』をご利用のクリニックは、新しいクライアントアプリケーションに入れ替えて起動するだけで、新しいサービスを即座に利用することができます。月額のサービス料金(月額36,000円〜)に変更はありません。
この機会にクラウド型電子カルテに移行したいというクリニックは、「Karte Cloud販売代理店」を通じてお問い合わせいただければ、スムーズにクラウド環境に移行することができます。
本サービスの操作感をお試しになりたいクリニックは、2013年11月1日よりエス・アンド・アイのWebサイトからトライアルのお申し込みをすることができます。
【『Karte Cloud』今後の展望】
将来的に患者直結型の健康管理へと政策が進むことで、社会的なクラウドサービスの活用はますます増えていくことが予想されます。
エス・アンド・アイは、既に電子カルテの『Karte Cloud』、レセプトの『ORCA Cloud』といずれもクラウド型サービスで提供していることから、クラウド技術を活かした地域医療連携への対応や在宅診療への適応能力を強化していきます。今後ますます、医療IT業界やオープンソース・コミュニティとの連携を深め、これからも高い技術力でサービス品質の向上はもちろんのこと、関係省庁や日本医師会等からのガイドラインや政策などを適切にフォローしながら、医療/介護のクラウドプラットフォームの確立を目指します。
以上
Karte Cloudサービス
日本医師会総合政策研究機構 主席研究員 上野智明 様からのコメント
「Karte Cloud サービスにおいて、日医標準レセプト『ORCA』との連携がさらに強化されたことを嬉しく思います。東日本大震災の経験から、医療のITは災害に強くあるべきです。クリニックの選択肢として、電子カルテもレセプトもクラウドという先進的な取り組みに期待しています。」
Karte Cloud販売代理店様からのコメント
JRCエンジニアリング株式会社 ICT事業部 事業部長 北川哲也 様
「多職種連携のニーズが高まる医療・介護福祉領域において、クラウドに求められる連携要件も多岐にわたります。エス・アンド・アイがその点を見据えてソフトウェア・アーキテクチャの改善に踏み込んだことは、これからの院内外コミュニケーションを推進する各種ツール等との連携をより容易にするでしょう。同時にクリニックや患者のメリットだけではなく、医療ITベンダーのビジネス拡大にもつながるものと確信しています。」
サンシステム株式会社 代表取締役社長 竹谷辰雄 様
「当社は、日頃より高いセキュリティ、高機能なインフラを安定的に提供してくれるエス・アンド・アイ社との協業において、アプリケーションの仕様を共同で検討していました。今回の開発に当社の経験が活かされていることを大変嬉しく思うと同時に、利用者や開発者がどんどん増えて行くことを期待いたします。」
株式会社ヒューマンテクノシステム 取締役社長 増住泰成 様
「オープンソース・ソフトウェアは、その利用技術と開発コミュニティの質に支えられるものと感じています。オープンソース電子カルテの可能性をエス・アンド・アイがさらに拡大してくれることを期待いたします。」
【エス・アンド・アイ株式会社について】
エス・アンド・アイは、1987年の設立から現在に至るまで、企業やデータセンターにおけるサーバー・ネットワークの統合/仮想化、IPテレフォニー、コンタクトセンターのシステム構築、センサーネットワーク、さらに各種ミドルウェア・アプリケーションの開発まで、お客様が求めるICT基盤の構築、運用技術を磨いてまいりました。さまざまな技術を複合させたITインフラの導入・運用、そしてネットワークやファシリティの設計、施工、保守に至るまで、統合的なソリューションの提供を行っています。
また、エス・アンド・アイは、ヴイエムウェア社から豊富な仮想化実績の証として「VMwareエンタープライズ・パートナー」に、日本IBMからはSystem xやストレージ製品の高いスキルを保持している証として「System x スペシャリティー」および「System Storageスペシャリティー」に認定されています。さらに2013年3月には、エキスパートが持つ高度な知見を実装し、サーバー、ストレージ、ネットワーク、仮想化のリソースを集中管理する完全な統合型システムIBM PureSystemsにおける「IBM PureFlex and Flex Systemスペシャリティー」にも認定されました。
【報道関係者からのお問い合わせ】
エス・アンド・アイ株式会社 マーケティング本部 担当 増田
Email: info@sandi.co.jp 電話番号:03-5623-7353
【お客様からのお問い合わせ】
エス・アンド・アイ株式会社 マーケティング本部
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