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HCI検証コラム

HCI市場を牽引する2大製品
『vSAN vs Nutanix』- 性能&機能を徹底比較!

2018/12/09

近年、仮想化インフラとして注目を集めているハイパーコンバージドインフラストラクチャー(以下、HCI)は、さまざまなメーカーから製品が提供されており、ここ数年HCI市場は急激に拡大しています。その中でも特にHCIの市場を盛り上げているのが、Nutanixと VMware Virtual SAN (以下、vSAN)です。今回、Nutanixと vSANの性能、特にパフォーマンスに重点を置き比較検証を実施しました。(2018年10月)

いまさら聞けない “HCI”とは?

『現在、企業の8割以上が仮想化インフラを導入していると言われており、そのほとんどの構成がサーバー、SANやiSCSIなどのスイッチ、そして外部ストレージからなる3Tier型の構成です。しかし、以下のような理由から、コスト面と運用面に課題を抱える企業も多くいます。

  • ■必要となるイニシャルコスト、ランニングコストが高額
  • ■それぞれの監視、障害ポイントなどが多く、それらの運用の複雑性
  • ■拡張時の手間や複雑性


これらの課題を解決する方法として注目されているのが、HCIです。HCIは、複数サーバーのローカルストレージをSoftware Defined Storage(以下、SDS)の技術を用いて共有ストレージとして利用します。これにより、シンプルな構成が可能となり、拡張する場合も迅速に対応できるようになります。

市場に出回っているHCI製品は多くありますが、vSANとNutanixがHCI市場の約7割(※1)を占めており、市場を牽引する製品と言えるでしょう。今回、HCI市場を盛り上げる2大製品の機能比較だけではなく、そのパフォーマンスにも着目し、その性能差を徹底的に検証しました。まず、今回比較対象としたvSANとNutanixの特徴を簡単にご紹介します。(※1 引用元:調査会社IDCの2018年第1四半期版「Worldwide Quarterly Converged Systems Tracker」)

vSANとは

vSANは、VMwareが提供するHCIです。仮想化業界で最も多く使われているプラットフォームで、ハイパーバイザーとなるSphere(ESXi)のカーネルに組み込まれています。そのため、サーバーやストレージ管理は、使い慣れたvCenterでの一元管理が可能です。また、vSANは、各サーバーノードのストレージとして使用されるSSD/HDDを、共有する一つのプールとして使用します。SSDを「キャッシュディスク」としてキャッシュデータの格納先に使用し、HDDを「キャパシティディスク」としてデータの格納先に使用できます。キャパシティディスクからデータを読み込むと時間がかかってしまいますが、キャッシュディスクを使用することで、高いパフォーマンスを発揮することが可能です。

【vSAN概要図】

【vSANの特徴】

  • ■多くのサーバーベンダーから「vSAN ReadyNode」が提供されており、好みのサーバーで導入可能
  • ■キャッシュディスクにより高パフォーマンスを発揮するプラットフォームとして使用可能
  • ■サーバーノード、ストレージはvCenterで一元管理が可能
  • ■ハードウェア障害時には優れた耐障害性を発揮し、データの保持が可能
  • ■2017年から2ノードでも構成可能な「2ノードvSAN」の提供を開始

Nutanixとは

Nutanixが提供しているSDS機能が組み込まれたアプライアンス製品です。vSANはハイパーバイザーのカーネルに組み込まれているのに対し、Nutanixは各ハイパーバイザーホスト上にController VMという仮想マシンを立て、Controller VMが仮想マシンのI/Oを受けてSSDやハードディスクに書き込みを行います。

【Nutanix概要図】

【Nutanixの特徴】

  • ■サーバーノードは、Nutanixのアプライアンス製品もあるが、Lenovo、DELLなどのOEMパートナー製品の利用も可能
  • ■ハイパーバイザーはvSphereだけではなく、Nutanix独自のAcropolis Hypervisor(以下、AHV)、MicrosoftのHyper-Vのマルチハイパーバイザーに対応
  • ■管理コンソール上でワンクリックするだけでセキュリティアップデートが可能
  • ■OSインストレーション作業などをせずに、簡単かつ短時間で拡張が可能

vSAN vs Nutanix、どちらに軍配があがるのか?! 性能と機能を徹底比較!

今回、ioMeterやHCI benchを用いて、各種ワークロードにおけるIOPS・Latencyの計測を行い、vSANとNutanixどちらのストレージ性能がよいか、比較検証を実施しました。

以下の検証項目の結果は、ホワイトペーパーで読むことができます!

▶︎ ioMeterによるベンチマーク
全ノードが正常稼働中にioMeterで単体VMのベンチマークを取得し、Read比率が高いワークロードとWrite比率が高いワークロードの2パターンを計測

▶︎ HCI benchによるベンチマーク
全ノードが正常稼働中にHCI benchでクラスタのベンチマークを取得し、Read比率が高いワークロードとWrite比率が高いワークロードの2パターンを計測

▶︎ スナップショット取得時のベンチマーク
ioMeterを用いたベンチマーク取得中にVMスナップショットを取得し、性能低下有無を確認。さらに、Nutanixのストレージスナップショットでのパフォーマンス低下有無を検証

▶︎ ノード障害時のベンチマーク
ストレージのIOを担うノードに障害発生時のパフォーマンスへの影響を検証

▶︎ VDIデプロイ時間
HCIでのLinked Cloneにおけるデプロイ時間およびRecompose時間を計測

▶︎ データローカリティ時と非データローカリティ時のベンチマーク
Nutanixの独自機能であるデータローカリティのパフォーマンスへの影響を検証

▶︎ 重複排除時のベンチマーク
インライン圧縮・重複排除の有効時/無効時の性能差を確認