HCIにはさまざまなメリットがある一方で、デメリットもあります。その1つに「コスト」が挙げられます。ここでHCIに必要なコンポーネントについて整理してみましょう。HCIを構成するコンポーネントは以下の3つです。
- サーバーノード(CPU、メモリ、ディスク(SSD)等)
- 各HCIで必要なソフトウェアライセンス(SDS)
- 10Gスイッチ
メリットの1つとして挙げたとおり、HCIはスモールスタートが可能なため、従来の構成に比べて初期費用を抑えられます。しかし、劇的に抑えられる訳ではなく、 “それなり”にコストはかかってしまいます。その要因の1つが、③に挙げた「10Gスイッチ」です。サーバーノードおよびSDSは、サーバーもしくはVDIの数量、必要なスペックに応じて台数およびライセンス数が算出されます。そのため、IAサーバーの機能面ではメーカーによって多少の差はあるものの、価格差はほぼありません。
では、10Gスイッチはどうでしょうか。HCIを提供しているベンダーの多くが、パフォーマンスを確保するために、各サーバー間を10Gスイッチへ接続することを基本としており、ファイバーケーブルを接続するような10GBASE-SRに対応している10Gスイッチが主流です。しかし、10GBASE-SRに対応しているスイッチは、筐体自体も高価な上に、SFPモジュールやファイバーケーブルも必要なため、「10Gスイッチはまだまだ高価」という印象が拭えません。そこで、SFPモジュールも不要かつファイバーケーブルより安価なLANケーブルを使用する10GBASE-TのスイッチでもHCI環境で十分なパフォーマンスが発揮できれば、HCIの導入コストを抑えられるのではないでしょうか。
今回は、10GBASE-SRに対応するスイッチを主力製品とするベンダーが多い中、10GBASE-Tに対応するスイッチを主力製品としているNETGEAR社のスマートスイッチを例に、その実力を検証してみました。