サンネットは、1969 年に会計業務システムの分析・設計・開発を請け負う会社として神奈川県小田原市で誕生しました。
近年では、“感動を創出する企業になる”という方針と長年のノウハウを活かしながら、『ソフトウェア会社』という枠を越え、会計システムの分析・設計・開発だけではなく、ITコンサル業まで、積極的にビジネスエリアを拡大しています。
サンネットが目指すのは、『ナンバー1よりオンリー1、ビッグカンパニーよりグッドカンパニー』です。台頭するクラウドコンピューティングのメリットを正しくお客様に伝えるために、「まず自分たちが体感してみる」をモットーに、社内にクラウド環境を整備してVMware ViewとuniConnect の導入に踏み切りました。
サンネットは1969 年、会計システムの設計・構築を請け負う会社として神奈川県小田原市に創業。創業以来、長年培ってきた会計システムをはじめとする業務系システムへの分析・設計・開発技術を活かし、現在では社員の約7 割がお客様先に常駐し、システム開発または運用などの業務を請け負っています。
創業以来、本社を小田原に構えていましたが、昨今は大手企業との取引が増大し、都内のお客様先へ常駐する社員も増えていることから、2011 年に西新宿へ東京本社を構えることになりました。
東京本社の新設にともない、クラウド技術を活用して既存システムを一新させたいと担当の片岡氏は考えていました。
IT 業界ではここ数年間『クラウド』というキーワードがあちらこちらに溢れています。しかし、『クラウド』という言葉の意味を正しく理解しているのは一部の人間だけではないかと片岡氏は考えていました。
サンネットは、多くの社員がお客様先で常駐し、お客様に最も近いところでシステム構築・運用を行う企業であることから、トレンドであるクラウドとは何か、それがお客様にとってどのようなメリットがあるのかを理解し、サンネット社員を通じて伝えていく必要があると常々考えていました。そのためには「まず最初に自社がクラウド化する必要がある」と片岡氏は判断。『サンネットクラウド構想』を実行に移す機会となりました。
片岡氏が立ち上げた『サンネットクラウド構想』では、社員の働く環境にクラウドコンピューティングを導入する際に、特長的な2つのコンセプトを取り入れています。
特長の1つめは『目に見えるクラウド』。クラウドといえば一般的に『雲の向こうにシステムがある』というイメージで語られ、雲の向こうがどのようなものなのか意識することがありません。片岡氏は「サンネット社員には、クラウドとは何モノか?というのを意識しながら働いてほしい」と考えていました。
エス・アンド・アイは、『サンネットクラウド構想』を実現するために、社員のデスクトップ環境としてVMware View を利用したシンクライアント環境を構築。どこからでも社内システムにアクセスにできることで、社員の利便性を向上させました。
同時に新東京本社では、オフィスエリアに隣接するサーバールームを設けました。全面クリアのガラス壁にすることで、フリーアドレスとなったオフィスのどこに座ってもサーバーラックが見えるようにしました。東京本社に出勤した社員たちは、自分らがアクセスする『雲の向こう』にあるはずのシステムを目で見て実感できるようにしたというわけです。
『サンネットクラウド』の2つめの特長、それは音声のクラウド化です。オフィスにPBX 筐体を置かない電話の運用を目指したサンネットは、エス・アンド・アイのスマートフォンソリューション『uniConnect』の採用を決めました。片岡氏は「uniConnect をコミュニケーションのハブとして活用しよう」と考えました。
uniConnect は、サーバーシステムの上で動作させるアプリケーション型PBX で、さまざまなシステムとの柔軟な連携をはかれるのが特長です。またMicrosoft Exchangeと同レベルのメールやグループウェアなどの機能も兼ね備えています。
「社内システムは、減価償却される時期もまばらでなかなか統合していくのが難しい。メール、電話、スケジュールなど社員がコラボレーションするために必要な機能は、uniConnetを中核にして既存システムと連携させれば、最新のスマートフォンやタブレットなどのクラウドに適したデバイスからもアクセスできるようになる」と片岡氏は考えました。
uniConnect を導入した結果、内線・外線の両方をiPhone に集約させることで、社内の固定電話番号の持ち歩きが可能になりました。サンネットは、お客様先に常駐している社員にもiPhoneを貸与し、離れた場所で働く社員間のコミュニケーション活性化のツールとしても期待を寄せています。
自社内にクラウド環境を構築すると、一部の大企業を除いては、莫大な投資になるというのが一般的な考えです。サンネットでは、中小企業でもコストを抑えながら自社のクラウド環境を持つことが可能であるということを実証するため、さまざまなコスト削減を試みています。
その試みの例が『共有』と『再利用品』の活用です。前述のとおり、社員の多くがお客様先に常駐しているため、オフィスに出勤してくるのは月1~2回程度の人間が多い中、オフィスには自席と専用のPCが用意されていました。小田原オフィスでは、十分な座席とPCが確保されていたため、使用頻度が少ないにもかかわらず多大な維持費用が発生していました。そこで、新東京本社では全社員数の30%程度となる、僅か40台のノートPC を共有しながら利用することで、維持費用を大きく削減しました。しかも共有のノートPCはすべて再利用品であり、起動OS にUbuntu Linuxを採用したり、高価なMicrosoft Office からオープンソースのOfficeへ、アプリケーションに極力オープンソースを活用するなど、コスト削減を徹底して進めながら、サンネットクラウドの構築を実現していったのです。
新東京本社では、8台あった物理サーバーを仮想化し、物理サーバー2台(仮想サーバー8台)に集約しました。構築時に、サンネット社員にもクラウドを勉強させたいという片岡氏の要望がありました。片岡氏のサンネットクラウド構想への計り知れない熱意を感じ、エス・アンド・アイのエンジニアはVMware 構築の手順などのノウハウを伝え、エス・アンド・アイとサンネット共同で構築作業を行いました。結果的にこれも費用削減につながりました。
さらにコスト削減になったのがVMware Viewを用いたシンクライアント環境でのシステム構成です。シンクライアント環境を構築する際、外部ストレージを用意するのが一般的ですが、ストアマジック社のSvSAN を採用。SvSANのおかげで、サーバー筐体内のハードディスクを仮想ストレージと見立てることができ、さらにはミラーリングによる冗長構成までをも、ひとつのサーバー筐体で実現することができました。
「サンネットクラウドを、プライベートクラウド導入の成功例として、大勢のお客様に見ていただきたい」と片岡氏は語ります。プライベートクラウドは費用が高い、または大企業でしかクラウドは有効ではない、という一般的な見解を見事に打ち破り、エス・アンド・アイと一緒に完成させた『サンネットクラウド』に大きな自信を覗かせています。
サンネットでは、社員一人ひとりを『クラウド』と『スマートデバイス』の伝道師として育て、さらなるビジネスの拡大につなげていきたいと考えています。