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導入事例:公益社団法人 千葉県産業振興センター

地域企業支援を支えるICT基盤へ。
基幹ネットワークの全面刷新とクラウド移行で安定性と運用効率の両立を実現。

導入製品:業務用基幹ネットワークシステム構築

地域企業へ提供する支援サービスの多様化や産業支援施策の高度化が進む中、支援機関自身のICT 基盤にも、より高い柔軟性と効率性が求められるようになっています。こうした背景のもと、千葉県内の中小企業の成長と発展を支援するための公的支援機関である千葉県産業振興センター様でも、業務のデジタル化を見据え、WANおよびLANを含む業務用基幹ネットワークの刷新と、グループウェアをはじめとする一部サービスのクラウド移行を実現されました。

【導入の背景】
  • デジタル化を推進するうえで、通信環境の安定性を重視した業務用基幹ネットワークシステムの必要性
  • 拠点ごとにばらついていたネットワーク環境を統一し、運用負担を軽減する体制の整備
  • 外部から安全にアクセスできる環境を段階的に整えるための基盤強化の必要性


【プロジェクトの概要】
  • 有線中心から無線中心への刷新と、それに伴う通信品質・パフォーマンスの最適化
  • 将来的な外部アクセスの許可を見据えた第一フェーズとして、メール・グループウェアのSaaS化
  • ネットワークやシステムを可視化し、一元的に管理可能なツールの導入による運用負担の軽減


【導入の効果】
  • 拠点ごとにばらついていたネットワークの統一により、「つながらない」という問い合わせが解消し、回線速度も大幅に向上
  • 統合管理システムの導入および、監視・アラートの仕組みの整備により、トラブル時の切り分けや復旧対応の迅速化と運用負荷の軽減を実現

3エリア5施設のネットワークを統一し、拠点ごとの“つながりやすさ”を均一化

千葉県産業振興センター 総務企画部 企画調整課 小川卓哉さん

千葉県産業振興センター様では、企業からの相談形態や支援メニューの多様化が進む中、オンライン会議やクラウドサービスの活用拡大に伴い、情報の流通量、保管量は増加の一途をたどっていました。加えて、情報セキュリティや業務継続に対する社会的な要請の高まりとともに、その対応の重要性も増しています。一方で、ICT専門人材が十分ではなく、オンプレミス中心のシステム環境を内製で維持・管理していたことから、運用負荷の増大や将来的な拡張への備えが課題となっていました。

「予算や設備条件の制約により、無線LAN環境の整備状況は拠点ごとにばらつきがあり、各拠点が個別に環境を用意しているケースも少なくありませんでした。その影響で『つながりにくい』といったトラブルが頻発し、どこに原因があるのか切り分ける作業にも多くの時間を費やしていました。また、全体像が把握しづらい環境だったため、利用者が快適に使えるように改善したくても着手しにくい状況が続いており、通信品質の最適化は早急に解決すべき課題となっていました。」と話すのは、千葉県産業振興センター 総務企画部 企画調整課 小川さんです。

今回、千葉県産業振興センター様では、老朽化、保守期限、サポート終了といった更新タイミングを契機に、拠点ごとに通信品質や使い心地にばらつきのあったWAN・LAN環境を見直しました。そして、幕張・柏・船橋の3エリア、全5施設において、Cisco Merakiを中心としたネットワーク構成へ刷新することで、どの拠点でも快適に業務を遂行できる環境を実現するとともに、全拠点のネットワーク機器の一元管理を可能にする基盤へと強化しています。

特に、今回採用したCisco Merakiは、各機器の稼働状況を直感的に把握できる可視化機能を備えており、リモートでの監視・運用を可能にすることで、運用負担の大幅な削減が期待できます。また、電波干渉が起こらないようにチャネルを自動変更することで、無線環境の最適化を図るAIチャネルプランニング機能や、接続端末が特定のアクセスポイントに集中しないよう最適なアクセスポイントへの接続を誘導するハンドステアリング機能などを備えています。これらの機能を活用することで通信パフォーマンス低下を抑え、安定した無線環境を構築しています。これにより、従来の課題であった「運用のしやすさ」と「通信の安定性」を両立できるネットワーク基盤を実現しています。

構成イメージ

千葉県産業振興センター 総務企画部 企画調整課 主幹兼課長補佐 平賀敬介さん

「更改後は『つながりにくい』といった問い合わせは一切なくなりました。通信速度についても、閉域網・インターネット回線ともに、100Mbpsベストエフォート回線から1Gbpsベストエフォート回線へ増速しており、現場からも大好評です。特にオンライン会議など、クラウドサービスの利用が増える中で、ネットワーク品質は業務効率に直結します。そのため、今回のプロジェクトでは、通信環境の安定性を最重要ポイントと位置付けていました。今回の更改により、全拠点の無線環境化を統一して整備できたこと、監視・アラートの仕組みが整ったことで、障害発生時の復旧までの時間を短縮できるようになったことは、大きな成果だと捉えています。(平賀さん)」

中核ツールのSaaS化から踏み出した “外部接続”基盤づくりの第一歩

千葉県産業振興センター様では、ネットワーク環境の最適化に加え、もうひとつの課題として、メールやグループウェアなど、個別最適化されてしまっていた各種サービスの存在がありました。

県内の中小企業を支援する業務では、企業の機密情報や後継者に関する相談内容、知財、・契約・財務に関する資料など、細心の注意を払って取り扱うべき情報を日常的に扱っています。そのため、従来のオンプレミスを中心としたシステム環境では、セキュリティの観点から外部からの基幹ネットワークシステムへのアクセスは許可されていませんでした。一方で、出張中などの外出先での業務では、スケジュール確認や連絡調整の手段が限定されており、業務効率が低下するという課題も抱えていました。

そこで今回のプロジェクトでは、将来的には支給端末からの外部アクセスを許可し、場所を問わず業務を行える環境を整備していくことを見据え、まずはその第一歩として、メールやグループウェアをオンプレミスからSaaSへ移行し、外部環境からでも利用できる基盤作りを進めました。

メールやグループウェアは日々の業務に不可欠な“中核ツール”であり、これらを安全にSaaS化することで、外部からも安心して利用できる環境づくりの確かな土台になります。その一方で、職員が日常的に使うツールであるからこそ長時間の停止を許容できず、作業は夜間や休日に限定されました。また、切り替え時に万が一トラブルが発生した場合でも、次の営業日までに完了させる、もしくは旧環境へ戻して復旧させる必要があり、手順の確実性とリカバリ手段の事前準備が欠かせませんでした。

「メールは対外的な連絡手段でもあるため、受信遅延や送信不能が発生すると業務への影響が大きくなります。スケジュールや社内メッセージも欠落すると業務に支障をきたすため、移行作業には慎重な段取りが求められていました。そこで今回は、実施手順を細分化してチェックポイントを設けるとともに、想定外の事象が発生した際の判断基準も事前に取り決めました。また、利用者の混乱を避けるため、よくある質問や初回設定などを事前に整理し、周知することでスムーズに移行できる体制を確保しました。切り替え当日は、S&Iさん側でも十分な人員を配置していただき、安心して移行を乗り切ることができましたね。(小川さん)」

今回の移行を計画通りに完了できたことが確かな自信となっています。これにより、外部からの安全な利用を前提とした環境整備の“足がかり”が整いました。これにより、今後の働き方改革に向けた基盤強化に向けて大きく前進したと言えるでしょう。

“見える化”で、利便性とセキュリティを両立するICT基盤へ

千葉県産業振興センター 総務企画部 企画調整課 課長 阿部健一さん

今回のプロジェクトでは、監視・ログ・アラートなどを含むICTシステム全体の「見える化」にも取り組んでいます。最大の狙いは、今後10年、20年と運用を続けていくうえで、どの程度リソースを使用しているのかを把握し、適正なスペックを判断するための指標を得ることです。

そのため、Cisco Merakiによるネットワーク機器一元管理だけではなく、ファイルサーバーの使用状況や、ネットワークシステムの稼働状況の可視化も実施しました。また、取り扱う情報には機密性の高いデータが多いため、セキュリティの観点から、ファイルサーバーではアクセス権を適切に管理し、誤操作によるファイル削除が発生した際にも履歴を追跡できるような仕組みも整えています。

「日常的に取り扱いに気をつけなければならない情報を多く扱っているため、外部からのアクセス範囲を広げるほど、セキュリティ関連のログ監視やアクセス状況の把握を強化していく必要があると考えています。今回整備した基盤を土台として、出張や外出が多い職員でも、社内と同等のセキュリティ水準を確保しながら内部環境にアクセスできる仕組みの構築を進めていく予定です。(阿部さん)」

千葉県産業振興センター様では、利便性の向上だけでなく、不審な挙動の早期検知やアカウント利用状況の追跡、インシデント発生時の初動対応など、セキュリティ監視の強化も重要なテーマとして位置付けています。こうした取り組みを支えるため、単に技術を導入するだけでなく、運用ルールの明確化や職員への教育にも取り組むことで、「強く、使いやすいICT基盤」へと段階的にレベルアップを図っています。

公益社団法人 千葉県産業振興センター

所在地
千葉県千葉市美浜区中瀬2-6-1
設立
1972年4月11日
従業員数
177名
https://www.ccjc-net.or.jp

千葉県や国の中小企業振興施策の実施機関として、中小企業などが抱える売上拡大、技術開発、取引拡大、生産性向上、事業承継、人材採用などのさまざまな課題解決に対して、豊富な支援メニューによるサポートを提供