2014年11月9日〜11月15日は、『秋の全国火災予防運動』週間です。
エス・アンド・アイでも、この期間にあわせて、uniConnectの安否確認機能を使った安否確認訓練を実施しました。
uniConnectに搭載されている「安否確認機能」は、3G回線経由でのパケット通信を利用し、短時間で社員の安否状況と居場所を把握するための機能です。2011年3月11日に発生した東日本大震災で、メールや電話がつながりにくいという経験をもとに開発・実装されました。
エス・アンド・アイでは、万が一のときにも、迅速に社員の安否を確認できるように、定期的に安否確認訓練を実施しています。今回は、秋の防災週間にあわせて実施した安否確認訓練の様子をご紹介します!
uniConnectの安否確認機能を使った訓練の様子をレポート!
実際に『安否確認』を発令するのは、人事部の瀧さん。その隣は、uniConnectの安否確認機能を開発した、システム開発部の志村さんです。
この機能の開発期間は約2ヶ月半。当時、余震が毎日続く中で、次の震災への備えとして急ピッチで開発したのだそうです。
スムーズに安否確認が行えるように、事前に最終チェックをおこなっています。
安否確認の発令には、瀧さんのノートPCを使います。
安否確認を行うアプリケーションは、Webアプリケーションなので、インターネットに接続できてブラウザが使える端末であれば、どのような端末からでも実行できるという点も、イザというときに便利です。
もちろん、iPadやスマートフォンでも実行できます。SIMの入ったiPadならば、これを担当する人も避難をしながら安否確認が実行できます。スマホだと画面が小さいので、操作には十分な注意が必要そうです。
さっそく、安否確認の管理画面を覗いてみましょう。
管理画面の大半を占めるのが、Google Maps。その右側に並ぶのが、安否確認対象である、S&Iの社員名です。その下には、社員の応答状況や現在地取得状況を、視覚的に確認できる円グラフがあります。
訓練実施前なので、まだなんの動きもない殺風景な画面ですが、訓練が始まると、逐一画面が更新されていくそうです。
安否確認訓練のスタート!
瀧さんが、管理画面よりメッセージを入力します。ここで入力したメッセージは、スマートフォンにポップアップで表示されますので、そのときどきに応じたメッセージが入力できます。
応答のない人に対しては、5分間隔で再送するとか、位置情報を5分間隔で取得しにいくとかも設定できます。それでも応答のない人には、最終手段としてEメールでメッセージを送りつけるという設定もできます。
今回は、あくまでも『訓練』だということがわかるように「***安否確認訓練実施中です*** このメッセージを受信された方は、スワイプして応答し、uniConnectを起動してください。」というメッセージを入力しました。
瀧さんがメッセージをセットしたら、あとは「OK」ボタンをクリックするだけ。一斉に安否の確認メッセージが届きます。オフィスで業務中の社員のiPhoneが鳴りだしました。安否確認の通知が届いたようです。
「表示」をタップすると、安否確認に応答したことになります。ロックされている場合は、ロックを解除してから応答します。
地図上に、GPSで位置情報を取得できた社員の居場所にピンが立っていきます。今日は社員のほとんどが本社(東京都中央区日本橋箱崎町)にいるようです。隅田川沿いでたたずんでいる方もいらっしゃるようですが、これはGPSの誤差なので問題ないそうです。しっかり仕事をされていることでしょう。
皆さん、訓練にもしっかり応答してくれています。社員リストを見ると、安否確認の応答状況と位置情報の取得状況がアイコンで表示されています。円グラフでは、大半の方の位置情報が取得できて、メッセージにも応答してくれていることが、一瞬で視覚的にわかります。実はイザというときこそ、パッと状況の掴めるグラフが重宝するんです。
応答しない社員には再度メッセージを送信
たまたま地下鉄にいたり、電波の届かないエリアにいたりする社員は、なかなか応答が戻ってきません。本当の震災であれば、ひょっとした被災している可能性もあります。一定時間経過しても、安否確認への応答がない社員に対しては、再度メッセージを通知することができます。
今回は、社員全員が安否確認に応答するまでしつこくメッセージを送信します。それでも応答してくれない方がいるので、Eメールでメッセージを送りました。万が一のときに、安否確認のメッセージが届いていない可能性にも考慮しているのだそうです。
安否確認訓練、終了
今回は、PM12:00〜PM1:00が訓練時間だったので、PM1:00をもって訓練終了です。最後に「安否確認終了のお知らせ」が届いて完了です。
災害時に社員の安全を迅速に把握し、行動するために…
安否確認に応答していなくても、位置情報は取得可能
通知に応答がなくても、位置情報はバックグラウンドで取得できます。何らかの理由で応答ができなくても、位置情報さえあれば災害発生エリアとは離れたところにいるのか、災害発生地のすぐそばにいて応答できない可能性があるのか、判断できるようになっています。むしろ、危険な場所に居合わせた社員をいち早く特定して、ケアを開始することが可能になります。
定期的な訓練実施で、操作に慣れておく
訓練ではスムーズに行動できても、実際に災害が発生したときは思うように行動できないことがあります。操作は限りなく単純に、「表示」をタッブするだけで応答できるはずなのに、被災していると応答に手こずることもあります。メッセージを発信する側も位置情報さえ取れれば、とりあえずは問題ない社員と、安否確認までとれないと心配な社員との判断に迷う可能性もあります。
このような機能が実装されていても、イザというときに使いこなすことができなければ備える意味がありません。エス・アンド・アイには、新たに入社する社員もいますので、定期的な訓練でこの応答操作には慣れておく必要があるのです。