- 音声認識した結果を検索システムと連携して、音声で検索できるようにしたい。
- 要約サービスと連携して重要なポイントだけがまとまった議事録を作成したい。
- 分析システムと連携して、新たな知見を「見える化」したい。
このように、音声認識した結果をさまざまなサービスと連携させたい場合、認識率が気になる方も多いのではないでしょうか?他のサービスと連携したい場合も、100%の認識率である必要はありません。「重要なワード」さえ認識できていれば、十分効果が得られます。
そこでポイントになるのが、「
辞書登録」です。
2次利用するシステムで重要になるワード(検索システムであれば、FAQに登録されているワードや、分析のキーになるワード)をきちんと辞書に登録しましょう。
重要なワードはそれぞれの辞書に登録してあるけど…という方は、表記揺れや名寄せのルールがそれぞれのシステムの辞書で統一できているかも確認してください。
例えば、「エス・アンド・アイ」というワードを、音声認識システム側は「S&I」で辞書登録し、連携するシステム側では「sandi」で登録していたとします。すると、音声認識システムとしては正しく認識しているにもかかわらず、連携先のシステムでは「S&I」=「sandi」と変換できず、想定している結果が得られなかったという状況が発生してしまいます。
こうした事態を防ぐためにも、
2次利用することを考慮して、音声認識側とその先で使うシステムの辞書を管理することを意識してください。
特に、音声認識システムと、その結果を利用するシステムの担当部署が異なる場合は注意が必要です。それぞれのシステムでは、問題なく辞書の管理ができていたとしても、ルールが統一されていなかったために、期待した結果が得られないということもあります。音声認識だけではなく連携するシステムも含めて、全体像を見ながらそれぞれの辞書を管理するようにしましょう。
ここまで、音声認識されやすい話し方、認識結果を二次利用する際のポイントを紹介してきましたが、どこまで認識率を上げるかは、音声認識結果を何に活用したいのかによって異なります。
例えば、音声認識した結果を要約させたい場合は、音声認識の段階でかなりの精度で音声認識させる必要がありますが、コンタクトセンターなどで応対内容を残したい場合は、オペレーターが復唱することで重要なワードだけは確実に認識され、自動で必要な部分だけを抽出することもできるでしょう。
このように、音声認識結果を何に使いたいかによって、求められる精度は異なります。きっちり学習させなければならない事と、運用で対処できる事のバランスを取りながら、付き合っていくことが大切です。