2021/09/06
チャットボットの導入は、応対業務の負荷軽減や効率化などが期待されています。一方で、導入したものの、なかなか利用率が上がらない…、回答精度が上がらない…などの課題をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
今回は、せっかく導入したチャットボットの運用を諦めてしまう前にやっておくべき「改善ポイント」を3つご紹介します。さらに、継続して効果を出すための運用方法もご紹介します。
なぜチャットボットの成果が得られないのか?
チャットボットの導入により、問い合わせが減った、他の業務に時間を充てられるようになったといった一定の成果が得られる「成功ケース」と、まったく問い合わせ件数が減らない、そもそも利用されていないといった「失敗ケース」。この2つの違いはどこにあるのでしょうか?
失敗する原因には、導入時の「事前準備」がきちんとできていなかった可能性が考えられます。事前準備では、チャットボットが回答できる範囲を明確にした上で、回答を準備し、オープンテストを実施する必要があります。その際、回答精度が出ているかきちんと評価するとともに、「ユーザーからの声」をヒアリングすることが重要です。ユーザーの声を分析することで、本番導入前に、チャットボットが回答できる範囲がユーザーに伝わっているか?範囲内にもかかわらず、回答できない質問はないか?などの課題が浮き彫りになるので、事前の対策が可能になります。
しかし、事前の対策ができていなかったとしても、これから改善すれば問題ありません。今できる改善ポイントを見直してみましょう。
今すぐできる改善すべき3つのポイント
チャットボットの利用率が上がらない・回答の精度が低いなど、思ったような成果が得られない場合、まずは以下の3つを見直してみましょう。
① 回答範囲は明確になっているか?
想定外の質問が多くて精度が上がらない!というケースもあります。この場合は、「チャットボットが回答できる範囲」をユーザーに分かりやすく伝えることがポイントです。「こんな質問にお答えします」というメッセージを最初に入れるだけでも、どんなケースでチャットボットを活用できるのかが分かりやすくなります。
② 話しかけやすい/雑談ができるようになっているか?
機械的に回答するだけではなく、チャットボットにキャラクター性を持たせて、親近感を持ってもらうのも、利用率が伸びない場合には有効な施策の1つです。
総務関連の問い合わせ窓口であれば「お世話好きで情報通」というキャラクター設定で、社内の情報だけではなく、会社近辺のおすすめランチも教えてくれたり、ITヘルプデスクの場合は、IT関連の専門用語の意味を教えてくれたりなど、ちょっとした雑談にも対応できると、ユーザーに「話しやすい」「面白い」と感じてもらえるようになります。ユーザーエクスペリエンスの提供は、チャットボットの浸透に欠かせません。
③ チャットボットが回答できなかった場合の動線は用意できているか?
チャットボットが答えられなかった時に「分かりません」という回答だけでは、ユーザーはストレスに感じ、離れていってしまいます。「質問内容がわかりませんでした。これから学習していきます。」など、これから回答できるようになっていくという姿勢が伝わるメッセージに変更しましょう。そして、「この質問はこちらの窓口にお問い合わせください」など、問い合わせ窓口の情報をきちんとご案内し、ユーザーが回答にたどり着けるようにします。そうすることで、チャットボットが回答できなかったとしても、ユーザーが離れていくのを防ぎやすくなります。
継続的な運用で、使われ続けるチャットボットを目指す!
チャットボットは、導入して終わりではありません。継続的なメンテナンスが重要です。
導入直後は、週一のペースでログデータを元に「何が問題になっているのか」を分析し、対策する必要があります。この運用フェーズでは、必ず「FAQデータに何が登録されているのか」を把握している担当者を必ず1名は配置してください。
ログデータを元に、チャットボットが正しい回答を返せていない理由が「回答ごとに登録されているFAQデータが間違っていないか」それとも「そもそもFAQデータに登録されていない質問なのか」を判別しなければなりません。FAQデータに登録されている内容を把握している担当者がいることで、これらの判別作業が効率かつ正確に実施できるようになります。
もし、運用体制を社内で組めない場合は、外部に委託するのも1つの手段です。社内にAIの知見がない場合も、AIの知見とスキルを持った専門家にサポートしてもらいながら、少しずつAIの知見を社内に貯めることで運用体制を整えていくことも可能です。
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最後に、チャットボットの導入がうまくいってる企業がやっているコトを分かりやすく紹介しています。
AIの知識とノウハウを多く持つ専門チーム「COURPUS factory」がお客さまをサポートする中でよく耳にする「なぜ利用率が上がらないのか、回答率が上がらないのか」といった課題に対して、原因分析しながら実施した改善策をご紹介しています。ぜひ、ご参考にしてください!