この事例では、特定用途の延命措置などの消極的な仮想化ではなく、仮想化そのものが既にサーバーインフラの一端を担っている導入例として、仮想サーバーのクラスタリング例をご紹介いたします。
複数のサーバーを1つのシステムに見せる「クラスタリング」は、サーバーの信頼性向上の一手段です。サーバーを稼働系と待機系に分けておき、稼働機の障害を検知した場合に待機側に切り替えを行い、復旧時間の短縮と運用リソースの削減を可能にするものです。昨今のサーバーシステムにクラスタリングを導入することは、もはや一般的なことです。
S&Iが構築を担当しているいくつかの企業では、VMwareによる仮想環境を通常のサーバーインフラと同レベルで考え、ごく自然に仮想サーバーでクラスタリングを組む事例も出てきています。

VMware ESX Serverが2基、ストレージはSAN(Storage Area Network)構成。OracleデータベースサーバーをLifeKeeper(サイオステクノロジー株式会社)でクラスタリングを行っている。稼働系がダウンした場合、自動的に待機系に切り替わる。また、すべての仮想サーバーは、同一のSAN上に存在する。ESX Serverをメンテナンスで停止させる場合でも、VMotionを使ってそこで稼働していた仮想サーバーをもう1台のESX Server上にダウンタイムなしで移動させることもできる。
ハードウェアやOSの障害は比較的検知が簡単ですが、アプリケーションがフリーズしてしまった場合は、ハードウェアやOSは通常稼働しているため検知が難しいとされています。単なる冗長化では解決できない障害です。
例えば、24時間立ち上げている必要があるWEBサーバー(LAMP:Linux、Apache、MySQL、PHP/Perl/Pythonなど)/WEBアプリケーションサーバー(Tomcatなど)、DBサーバー、メールサーバーやグループウェアなどのダウンタイムを最小限にしたいというニーズがあります。ハードウェアの冗長化だけでは済まないので、このような場合でもS&IではVMwareによる仮想化に加えて、クラスタリングソフトウェアなどを使い、各種アプリケーションを同時に監視するようなシステムを提供しています。通常、IAサーバーハードウェアの冗長化は結構なコストがかかりますが、仮想化サーバーの冗長化にはハードウェアの追加投資は必要ありません。
また、全部のサーバーを仮想化に移すのを躊躇されるような場合でも、稼働系を物理サーバーに、待機系を仮想サーバーにすることで、サーバーの物理的な台数を減らすことも可能です。このように仮想化をうまく取り入れることで、柔軟なシステム構築が可能になるわけです。
特殊な道具だった「サーバーの仮想化」は、稼働実績の増加に伴い、もはやサーバーインフラの選択肢のひとつとしてデファクトになりつつあります。VMwareをハードウェアベンダーと同じような位置付けで見るシステム部門も増えてきており、「仮想化」という技術が普遍化してきた感があります。
S&Iが仮想化のお手伝いをした企業(遊戯場チェーン、ホスティング事業者、コンサルテーション会社、情報配信サイト運営会社など)では、いずれも仮想環境の検証フェーズを経て問題がないことを確認し、本番使用へと踏み切りました。仮想化への移行を成功させている企業には、いくつかの共通のニーズがあります。
システム部門が率先して、仮想化の概念とそこから得られるメリットを必要とし、省電力、ラックスペース削減、運用管理コストの削減といった目的に向かって仮想化への移行を進めています。

S&Iは、VMware以外にもXen、Virtual Serverなど、さまざまな仮想化ソフトウェアのいずれにも対応できますが、どの仮想化ソフトを選択するのがベストなのか?という問いに対して、お客様が仮想化で実現したいことを的確にヒアリングした段階で最適な仮想化ソフトウェアをご提案しています。なぜVMwareなのか、なぜXenなのかを明確に説明できるベンダーとして、お客様が求めサービスレベルに基づいた選定ができるベンダーとして、S&Iは仮想化のメリットが得られるシステム構築を行っています。
S&Iでは仮想化(バーチャリゼーション)を「V12n」と表現しています。「仮想化」を意味するVirtualization(バーチャリゼーション)の先頭の「V」と最後の「n」までの間に12文字あることから「V12n」となるわけです。
私たちS&Iは、「仮想化のエキスパート集団」として、お客様の「仮想化」導入をプロフェッショナルに支援します。