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導入事例:株式会社アイアンドエーエス

VIPRIONの導入により高いレベルの信頼性と処理能力を得た外為オンライン

導入製品:BIG-IP・VIPRION

大きな伸びを示す外国為替取引オンラインシステムを始め、様々なASPを開発、運営する株式会社アイアンドエーエス。中でも大きなウェイトを占めるのが、13万を超える口座を持ち高い人気を誇るFXサイト「外為オンライン」だ。24時間止まることなく、スムーズなサービス提供が求められるネットワークの中核には、F5ネットワークスのVIPRIONが採用されている。

高い信頼性が求められるシステムを支え続けたBIG-IP

株式会社アイアンドエーエス
代表取締役社長
横尾 和也 氏

FXは、少ない元金で始められる身近な金融商品として人気を博している。数あるFXサイトの中でも高い人気を誇るのが、外為オンラインだ。2007年度に年間取引高ナンバーワン※に輝き、口座数は13万を超える。株式会社アイアンドエーエスの代表取締役社長 横尾 和也氏は、FXサイトにとって大切なのは使いやすいインターフェイスとシステムの信頼性だと語る。

「FXの取引では一瞬の操作ミスが大きな影響を及ぼす可能性があるので、直感的に操作できるインターフェイスづくりを心掛けています。また、株式取引などとは違い24時間取引が行われるため、ネットワークの信頼性も非常に重要です」

横尾社長の言葉の通り、同社はFXサイトスタート当初から高い信頼性と安定性を念頭に置いたネットワークづくりを行なってきた。その中核となるトラフィック管理装置として採用され続けてきたのが、F5ネットワークス(以下、F5) のBIG-IPシリーズだ。当初BIG-IP 1500を導入して構築したネットワークだが、サービスの成長に伴い上位のBIG-IPへとアップグレードされてきた。FXサイトでは為替情報の参照が常時行なわれるため、ショートパケットが多く、ユーザ増加がBIG-IPのCPU負荷に大きく影響する。短期間にBIG-IP 1500から6400、8400へと アップグレードを繰り返してきた同社のネットワークの歴史は、そのまま事業規模拡大の歴史とも言える。しかし頻繁なアップグレードを繰り返す中でも、他ベンダーの製品への移行は一度も検討されなかったとASP事業部の加藤 仁志 氏は言う。

「BIG-IPは私が知る限り、最も信頼できる製品だと思っています。実際、これまでいくつものBIG-IPを導入してきましたが、その信頼が裏切られたことはありません」

信頼性と投資対効果双方を満足させたVIPRION

株式会社アイアンドエーエス
システム運営部
取締役部長 加藤 仁志 氏

成長を続ける同社のネットワークがひとつの転機を迎えたのは、2008年冬のことだった。当時の最上位機種であったBIG-IP 8400をもってしてもパフォーマンスに限界が見え始めたのだ。BIG-IP 8400を複数台設置並列処理を行なうか、ブレード搭載型シャーシを採用し、最大でBIG-IP 8400の4倍近い性能を発揮できるVIPRIONへ移行するか、いわばスケール アップかスケールアウトかという選択を迫られることになった。その当時を振り返り、加藤氏は次のように語る。

「スケールアウトした場合、ハードウェアが多くなるということを懸念しました。ハードウェアが増えれば障害ポイントが増え、ネットワークに障害が発生する確率は高まります。とにかく一瞬でもダウンタイムを作りたくないという思いから、ハードウェアの台数を増やさずに処理能力を向上できるVIPRIONへのスケールアップを選択しました。ハードウェア増加は管理負荷の増加にもつながりますから、それを避ける意味もありました」

また、投資効果の面でVIPRIONに大きな魅力も感じたという。それまでのBIG-IPはActive-Standby構成で使われていた。VIPRIONの場合、装着されたブレードを普段からすべて使用しつつ、対障害性を高めることができるので、投資対効果の高い障害対策を実現できる。これはVIPRIONに備わるCMP(クラスタ・マルチプロセシング)機能がもたらす恩恵だ。CMP機能によりシャーシに装着したブレード上のCPUリソースは仮想化され、それぞれのアプリケーションに対してリアルタイムに最適化される。万一いずれかのブレードに障害が発生した場合には他のブレードがセッションを引き継ぎ、処理を継続する。ブレードの交換や追加の際にもシームレスにリソースに組込まれるので、障害時だけではなく、処理能力拡張の際にもシステム停止の必要はない。

高いスケーラビリティを得てさらなる高度化へと進む

アイアンドエーエスが導入したVIPRIONにはVIPRIONパフォーマンスブレード100と呼ばれるブレードが2枚装着されている。配下に50台以上のサーバーが稼働し、同時接続数が1万を超える状態でもCPU使用率は20~30%で安定し、処理能力の高さを実感しているという。しかも今後はブレードの追加だけで、ダウンタイムなく拡張できる。この柔軟性がVIPRIONの大きな魅力だと、加藤氏は語る。

「これまではCPU使用率が高くなるたびに、対策を考えてきました。ブレードを追加するだけで拡張できるのは、とても安心感があります」

「また、導入については、かねてから弊社のインフラ構築を依頼しているS&Iに依頼しました。金融ビジネスのシステム構築ノウハウが豊富で、ネットワークからサーバーまでトータルで提案、構築可能だからです。金融ビジネスに最適とIBM製品に強みがあり、なおかつF5製品に強みがあることも理由の一つです」

今後についてうかがったところ、横尾社長はさらなるネットワークの高度化に向けて検証を進めているところだと明かしてくれた。アイアンドエーエスのネットワークは今後も進化していきそうだ。

ユーザーのシステムに奪われる時間を減らす

シンクライアントの導入により「起動・終了時間が圧倒的に短くなった」とはユーザーの声。旧PCでは起動するだけで6分もかかっていたモデルがあるが、ThinBoot ZEROでは45秒でログイン画面がでてくる。毎朝ログインする約14,000人分の短縮された時間をコストに換算すると、その効果は絶大だ。

「起動・終了時間だけではありません。セキュリティパッチの適用、バックアップにかかる時間など、ユーザーがシステムに費やすコストは、VDI環境に移行したことで確実に減っています。PCがトラブルを起こすと、かつては代替PCへのデータ入れ替えに半日はかかっていましたが、今は端末交換だけであっという間に業務に戻れるようになりました」と、門田氏はユーザーのシステムコストを減らすことが当初からの狙いだったと語る。端末がシンクライアントになり、ハードウェアとデータの分離が実現できたことが功を奏しているとも言える。

さらに「VDI環境に移行して、当たり前のことなのですが、アンチウイルスソフトのシグニチャ適用率も100%になった。前システムと比較して、セキュリティリスクは下がっている」と金岡氏は語る。

セキュリティ強化と利便性向上は、言わば天秤のようなものだ。一般的にはどちらかを優先すれば、もう片方が犠牲になる。しかし、キリンの新しいシステム環境は見事バランスに優れている。VDIの導入によって得られる利点を十分に検証し、そのメリットを存分に活用したことで、社員の働きやすさを創造する礎となっている。このシステムは、キリンにとって企業競争力強化の源泉となるだろう。

※ 出典:矢野経済研究所「2007年4月~2008年3月FX年間取引高調査」より

株式会社アイアンドエーエス

本社所在地
東京都千代田区丸の内1-11-1パシフィックセンチュリープレイス丸の内24F
創立
2000年5月26日
資本金
60,000,000円
http://www.i-asp.ne.jp/

アイアンドエーエスは、2000年設立以来、ASP事業を主体としたサービスを提供しています。FXオンライン取引システム「FX-ASP」をはじめ、青果仲卸業向け販売管理など業界に特化したシステムから、会計システム、人事システムなど全業種で使えるものまで幅広く提供しています。